東洋医学からみる「蚊に刺され」
2018/07/15
三連休も明けてもう少ししたら、子どもさんお待ちかねの夏休みですね。
山・川・海・花火に旅行・・ 夏のレジャーも楽しみなこの時期、外出先で気になるのは紫外線もさながら、『蚊』にさされること。半袖やサンダルなど肌の露出が増えるこの時期、気になりますね。“ぶ~ん”と枕元でする蚊の音、刺された時の痒み、皮膚に残る刺された跡など、ささいな事ですが、ストレスになりがち。さらに感染症の媒体でもあるので厄介です。
蚊に刺されやすい人といえば、
・血液型(O型が一番刺されやすい)
・体温が高い
・飲酒状態の人
・体臭の強い人
・運動をしている人(汗をかいた状態)
・妊娠中の人
・色黒、または黒っぽい服を着ている人
これらが一般的によく言われる、蚊に刺されやすい人の特徴かと思います。
蚊は動くものに反応し、汗の臭い、汗に含まれるアセトン・乳酸、二酸化炭素、体温などに反応します。また、蚊の色覚は白と黒の2色で、濃い色を好むため黒っぽい服装や色の黒い人がターゲットになりやすいという理由からです。血液型については研究者によって諸説あるので、明確な根拠はないようですが・・
東洋医学からみる「蚊に刺され」やすい状態とは、何でしょう?
・蚊は、酸化して老廃物の多いドロドロ血液(瘀血:おけつ)を好む
・イライラした状態、熱がこもっている体質
・身体のバランスが崩れている人
蚊に刺されやすい人は、動物性たんぱく質や甘いものの食べ過ぎで、血が汚れており、解毒器官の肝臓と腸が疲れて弱っている状態です。(近頃ではマクロビオティックの方面でも取り上げられています。)
では、「血液が酸性状態になる」食べ物とは、一体どんなものなのでしょうか?
・白砂糖、砂糖の入ったジュース
・果物(特に熱帯産のもの)
・化学調味料、添加物を多く含む食品
・コーヒー
・動物性の食品(乳製品・練りもの含む)
普段、私たちの血液は弱アルカリ性です。代謝する過程で身体の中には“酸“が作られますが、肺から二酸化炭素として、尿からそれぞれ排出されています。
さらに血液の中和作用により血液中のpHは比較的一定に保たれるようになっています。
しかし、血液が酸性状態になりやすい食べ物の摂取量が多いと血液は酸性に傾き、体は陰性に偏っていきます。
昆虫は動物に比べて、酸化したものを好んで食する傾向があります。血液のミネラルが、動物は鉄(赤色)で、昆虫は銅(緑色)であることが関係するのかもしれません。
酸化された血液が肌の表面近くにあると、そこから蚊にとって美味い血液の匂いがして引き寄せられ、奥まった所や薄い衣服の上からでも刺してくるのです。
やたらと蚊に刺される人は、酸化されやすくなった血液が肌の表面近くで澱んでいる人だ、と言えます。また、人がイライラすると、その人の体の中で血液の流れの悪い場所の血液が、瞬時にドロドロに変化します。
「蚊に刺され」の症状は体のバロメータでもあります。
蚊が刺したところは、肝臓の急所だったり、汚れた血が溜まっているところだったりするので驚きです。もちろん肌が露出しているかどうかも影響があると思いますが、刺されてしまった場所は老廃物が特にたまっている場所だと考えられます。
蚊は、東洋医学的な診断(陰陽五行理論)で導き出されてくるツボのあたりを刺してきます。
※ヤブ蚊は別です。肌の露出しているところを無差別に刺してきます。
体のバランスが崩れると、体調に対応する「経絡」の関所であるツボを通る気の流れが悪くなります。気の流れが悪くなると、それに従って血液の流れも澱みます。川の流れと同じで、流れの澱んだ血液は腐敗の方向(酸化)に進みます。
虫刺されの痕が、経絡に沿って出ているというのは、時々観察されることです。
陰陽五行理論で経絡を考えると、体のどこの部分をよく蚊にかまれるかで、その人の体調をかなり正確に推測できます。血液が汚れているとき、実は、蚊はその老廃物の多い酸化した血液を吸い取ってくれているんですね。