メンタル鍼灸で効果が期待できる症状の一つに喉の異常感があります。
喉が締め付けられるような感覚がある。
・呼吸が浅く十分に息が吸えない。
・喉に何か異物があるような感覚が常にある。
・時々嘔吐くような感じがある。
これらに加えて胸の辺りのざわざわ感や締め付けられる感じ、動悸がするなどの症状を伴うこともあります。
多くの方が鍼灸を受けられる前に、耳鼻咽喉科を受診されていて、喉には何も異常はありませんと言う診断を受けておられます。
梅核気(ばいかくき)
これは東洋医学では梅核気(ばいかくき)と言う名称で呼ばれている症状です。
現代医学では咽喉頭異常感症とかヒステリー球とも呼ばれています。
耳鼻咽喉科でも原因がはっきりわからないと言うこともあってなかなか改善されないことが多いようです。
近年では漢方の半夏厚朴湯を処方されている方も多くいらっしゃいます。
これらの喉の様々な不快症状は東洋医学では喉の辺りに気の滞りが生じていると診ます。
この部分は、とてもデリケートな箇所であり、気が滞りやすいのです。
自律神経から診ると、副交感神経である腹側迷走神経の働きが低下している状態です。
腹側迷走神経は脳から起こり頚肩部咽喉部に分布して心臓と気管支を支配しています。
喉の異常感を訴えておられる方の多くが、お仕事や人間関係で常にストレスを抱えておられます。
また頚肩部の筋肉にかなり強い緊張がありストレートネックの状態になっています。
梅核気は、主にストレスによって肝の気を滑らかに巡らす働きが低下して、喉の辺りに気の滞りが生じている状態です。
治療は、まず肝の働きを調整して、気がスムーズに流れる状態に戻していきます。
そして気の滞りの強くなっている喉および頚肩部に対して直接気を流す鍼施術を施します。
メンタル鍼灸では、鍼は身体に刺入することは無く、鍼を皮膚に接触させるだけの施術なので、痛みは全くありません。
むしろ全身の気の流れが良くなり特有のリラックス感が得られます。
こうして交感神経の過緊張は解消され、腹側迷走神経の働きは旺盛になって行きます。
腹側迷走神経は、つながりの神経系と呼ばれていて、他者とのコミュニケーションも円滑になり、気分も前向きに朗らかになって行きます。