奥田鍼灸院が考える治療
自律神経失調症とは
自律神経失調症とは、身体を働かせる自律神経のバランスが崩れるためにおこる様々な心身の不調のことです。
自律神経とは、自分の意志では働かせることができない神経で、心臓を動かしたり、汗をかいたりするときに働きます。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり必要に応じで自動的に切り替わって私たちの身体を維持しています。
主に活動するときに働くのが「交感神経」で、休んだりリラックスしたりするときに働くのが「副交感神経」です。
この2つの神経のバランスが崩れたときに起こる疾患を自律神経失調症と言います。
私たちが日々快適に過ごせるのは、自律神経である交感神経と 副交感神経がバランスよく働いているからです。
次のような状態は、自律神経失調症である可能性が高いです。
✅ | 身体がふわふわしてめまいがする。 |
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✅ | 手足が冷え、のぼせがある。 |
✅ | 微熱が続き、身体がだるく疲れやすい。 |
✅ | 頑固な肩こりがあったり、背中や腰がよく痛くなる。 |
✅ | 雨の降る前に、身体がだるくなったり頭痛や関節の痛みを感じる。 |
✅ | 春や秋、季節の変わり目になると体調が悪くなる。 |
✅ | 食欲がなく、お腹が張って辛いなどなど、全身のいろいろな所に症状があり、病院で検査してもらっても、特に異常が見つからず、ストレスが原因でしょうと言われる事が多い。 |
また身体にはそれほど症状がないが、どうも気分がすぐれず気持ちが暗かったり、やる気がでず身体もどことなくけだるく感じる、人付き合いが億劫など、抑鬱状態も自律神経のアンバランスで起こっている事があります。更年期障害やメニエールなどの疾患も自律神経との関わりが大きいことが指摘されています。このように自律神経失調症は、身体と心の不調和から来る様々な症状を伴う状態であり、ストレス社会の現代において急増している症候群です。
あなたは次のような症状にお困りではないでしょうか?
全身 | 微熱・だるさ・倦怠感・不眠 |
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神経 | 偏頭痛・筋緊張性頭痛・頭重感・めまい・たちくらみ |
目 | 目の疲れ・目の奥の痛み・まぶたのけいれん・ドライアイ |
耳 | 耳鳴 耳のふさがったような感じ |
のど | のどのつまり感・異物感 |
循環器 | 高血圧・低血圧・手足の冷え・浮腫・脈が速い・不整脈 |
呼吸器 | 過換気症状 息が吸いにくい |
筋肉 | 肩こり・腰痛・筋肉痛 関節痛 |
皮膚 | かゆみ・湿疹・円形性脱毛・多汗 |
消化器 | 慢性胃炎・神経性胃炎・逆流性食道炎・下痢をしやすい・便秘・おなかが張る・食欲不振・過食 |
手 | 手の震え・書痙・手のひらに汗をかきやすい |
泌尿器 | 神経性頻尿・残尿感 |
自律神経失調症の原因
長く続くストレス自律神経失調症の原因として第1にあげられるのはストレスです。ストレスには、精神的なストレスと気候や職場での冷房などの肉体的なストレスがあります。また普段の食生活の不摂生や夜更かしによる睡眠不足などの生活習慣も大きな原因の一つです。
経絡治療による自律神経調整
自律神経失調症の治療の要は、交感神経と副交感神経のアンバランス状態を改善することにあります。
交感神経が過緊張状態になっていて、副交感神経が機能低下の状態が多いようですが、交感神経副交感神経の両方が過緊張あるいは両方ともが機能低下している場合、両者がばらばらに緊張あるいは機能低下を呈している場合など多様なパターンがあります。交感神経と副交感神経が、高いレベルでバランスがとれていると心身ともに健康な状態です。
東洋医学の経絡治療は、身体に流れる生命エネルギーである気のルートである経絡を調整するこ とで陰陽五行調整を行う伝統鍼灸術です。気の調整とは、私たちを生かしている生命エネルギー のアンバランスを整え過不足を是正することを意味しています。 具体的には12の経絡を整え、陰陽五行のバランスを整えます。これを現代医学的に見れば自律 神経の調整と言えます。陰は副交感神経に陽は交感神経の働きをしています。 全身を流れる12の経絡は、その特性により五行という五つのグループに分類できます。
木 | 肝経・胆経 交感神経 |
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火 | 心臓 交感神経 神経・小腸経・心包経・三焦経 |
土 | 脾経・胃経 副交感神経 |
金 | 肺経・胆経 副交感神経 |
水 | 腎経・膀胱経 交感神経・副交感神経 |
陰陽と五行は相互に拮抗関係にあり、一方が上がると一方が下がるように働き、バランスをとる ようになっています。
経絡治療は、この関係を利用して、身体の自律神経のバランス調整に優れ た鍼灸術です。