東洋医学でアプローチする高血圧(2)
2023/12/06
前回に続いて、高血圧の続きです。
◇ 高血圧の主な原因
1.機能低下
高血圧の原因の一つに体の機能低下が考えられます。
個人差はありますが、年齢とともに身体の機能は低下していきます。
そうなると、全身に血液を行き渡らせる → 全身に栄養と酸素を補給させる
身体を元気にさせようとする防衛本能が働くのです。
つまり、高血圧は体の機能を上げるための正常な反応なのです。
東洋医学では体の機能そのものを上げる施術を行います。
2.全身に血液がめぐっていない
東洋医学が考える高血圧のもう一つの原因は、全身に血液が届いていないことです。
例えば手足が冷えて「気」や「水」がその部分で滞ると、それが障害となり血液が指先まで流れなくなります。=瘀血(おけつ)の状態
それを感知した脳が心臓に信号を送り、もっと血液を送るよう指令を出します。
すると、心臓はポンプの力を上げて一所懸命血液を送り出し、血圧が上がるというわけです。
鍼灸治療では、経絡経穴を刺激することで臓腑の働きを助け、血流や水分代謝の改善を促します。
身体全体を調整することで、高血圧にともなう頭痛、めまい・耳鳴り、動悸・息切れといった症状にアプローチしていきます。
実は、あの世界保健機構(WHO)にも、鍼灸治療は高血圧症の患者において作用する効果があると認められています。
ちなみに、鍼灸は身体に備わっている恒常性を引き出す治療方法ですので、高血圧の方にも、低血圧の方にも、ちょうど良い血圧状態となり、自律神経(内臓機能)が整い浸透圧の安定にもつながります。