自宅で出来る、セルフ灸の勧め
2020/04/08
奥田鍼灸院は1992年4月8日に開院し、本日で開院29年目を迎えることができました。
開院当初から20年以上健康管理のために通ってこられる方々もおられ、本当に頭が下がる思いとともに責任も感じる日々です。
長年こうして続けてこれますのも、偏に当院を信頼していただき来院くださる方々のおかげだという感謝の気持ちとともに、初心を忘れることなく30年目に向けて邁進してまいります。
しかしながら、コロナウイルスが本格的に警戒されるようになりましたね。
全国的な自粛態勢もあり、自宅で過ごす時間も増えてきているのではないでしょうか。
自宅での過ごし方として、オススメしたいのが免疫力を上げるためのセルフケアでのお灸です。
「ヨモギが邪を払う」というのは以前から書いていますが、古代中国ではヨモギは重宝され、薬草して食べてきましたが、お灸としても長く使われてきました。日本に伝わってきたのは、約600年頃といわれています。
また、戦争時代においては、マラリアに感染してもキニーネ(マラリアの特効薬)が不足していたため多くの人が命を落としましたが、ヨモギの絞り汁は発熱に効くことから、キニーネの代わりに飲むことで命が救われたことがあったともいわれています。
お灸で使う「もぐさ(艾)」は、ヨモギから精製したもので止血にも用いられてきました。
昔から切り傷など肌の表面にできた傷を治す薬草として使われていましたが、傷んだ肌を表面からお手入れをしてくれる効果や血行促進効果から生じた「ヨモギ蒸し」という美容法もありますね。
自宅で出来るセルフケアのお灸では、火を使わない安全なタイプや、煙が出ないタイプ、好みの香でさらにリラックスできるアロマタイプ、など色々な種類が発売されています。ニンニク灸などの少しハードなものまであり、自分にピッタリのお灸を探してみるのも良いと思いますよ。
またもぐさを使わずに手軽にできるペットボトル温灸もおすすめです。
お灸する場所ですが、オススメは
神門(しんもん):手首手のひら側で小指の付け根にあります。
心にかかわる代表穴で、精神の安定に効果があります。
ネガティブな情報が多く、ストレスフルな毎日で不安感でいっぱいになっている方が多くおられます。不安感はそれだけで免疫力を下げてしまいます。
今はできるだけ平静な精神状態を保つことが大事です。そんな時、神門のお灸が頼りになります。
照海(しょうかい):足のうちくるぶしの下にあります。
腎の代表穴です。
これは先天の原気と言って私たちの生命エネルギーの源です。ここにお灸をすることで生命力を補い強化することができます。
神門と照海を併せることで、私たちの生命の中軸を常に強化しておくことができます。
それから神闕(しんけつ)もオススメです。
これはおへそに当たります。おへそを温めることで胃腸の働きを整え、後天の原気と言われる私たちが飲食物から得ている生命エネルギーを十二分に使えるようにします。
そしておへそのお灸は、神門とともに精神の安定にも大いに働きます。
免疫力強化には、「睡眠を十分にとること」、「栄養バランスを十分考えた食事をしっかりとること」、「適度な運動と、食物繊維をとること」、そして「精神の安定」が大事です。
もちろん経絡治療も免疫力を向上させて私たちを外邪から守ってくれます。
少しでも不安な気持ちが和らいだり、免疫力の強化につながればと思います。