甘～いお灸「灸まん」

「正月は毎年、こんぴらさん詣でをする」という人から教えてもらいました。
世の中には甘～いお灸があるのですね。

こんぴらさんといえば、香川県の金刀比羅宮（ことひらぐう）です。
その参道となる石段の途中にあるお店（お土産物・茶店のような感じでしょうか）で販売されている「灸まん」というお饅頭が、こんぴら名物なのだとか。
 

名前のとおり、まさに”お灸のもぐさ”の円錐形。
中は黄身あんが入っており、東京銘菓「ひよこ」に似た感じだとか。

金刀比羅宮は785段の石段（奥の院までだと1,368段！）で有名です。
結構きつい段数ですよね。参拝で疲れた脚を整えるのにはうってつけ、お灸です。
四国はお灸の盛んな所です。

由来は江戸時代にまで遡ります。
元々は、旅籠に泊まる旅人に据えていた人気の「金比羅灸」、江戸から訪れた或る男前が女中にお灸を据えてもらった際に「こいつは甘いお灸だ」と気に入ったという話がモチーフになっているそうです。

その後、旅籠が茶店に変わり、かつてお客さんに喜ばれたお灸をイメージした饅頭として、今日まで親しまれています。

それにしても、さすが男前。女中が据えたのは特別にやわらかいお灸だったようですね。
柔らかいと言うのは、もぐさを柔らかく捻って作るお灸です。
そうすると温熱刺激が熱くならずに温和な刺激になります。逆に堅く捻ると熱くなります。