季節の変わり目の不眠
2019/09/30
秋分を迎え、すっかり秋めいてきましたね。暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言うものです。
ところで、季節の変わり目になると、花粉症と同じくらいに増えるのが「不眠」による不調です。
当院にも不眠の悩みで来られる方、また別の症状とともに眠れないとおっしゃる方は多いです。
東洋医学では、不眠を身体の陰陽の気のアンバランスとしてとらえ、治療しています。
多くの場合、陰気の弱りから、相対的に陽気の方が昂ぶり熱となって頭部に停滞する(気が上がっている)ことで眠れない状態になっています。
肝と腎の陰気を増やし、上半身に停滞している陽気による熱を冷まして、気を引き下げるように治療します。
また、頑固な不眠症状の場合、鍼灸治療とともに『ヨーガニードラ』を眠りに就くときにするよう、指導させてもらうこともあります。
『ヨーガニードラ』は、寝たまんまヨーガとも言い、身体を動かすこと無く、呼吸や脱力 ボディーサーチ、イメージトレーニングを行うもので、リラクゼーションに優れたヨーガです。
昂った神経を鎮めやすく、不眠にもとても有効です。
また、民間療法として有名ですが、寝る前にホットミルクを飲むようにしたら、自然に眠りにつけるようになったという話を聞きます。
牛乳には、心を安らかにする働きがあるカルシウムが含まれるほか、別名「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンという成分も含まれます。メラトニンには、脈拍や体温、血圧を低下させるなど、睡眠を促す作用があるといわれています。
食べ過ぎ・飲み過ぎはよくはありませんが、就寝前に少量の消化のよい食べ物を胃に入れると、血液が胃に集まり、脳が休まります。特に温めた牛乳やハーブティーなどは体を温め、神経を落ち着かせて寝つきをよくしてくれます。
また、タマネギのスライスを皿にのせて枕元に置くと、気持ちがリラックスして心地よい眠りにつけるようです。タマネギには目が痛くなる独特の臭気がありますが、これは硫化アリルという化合物が含まれているためです。硫化アリルには神経の高ぶりやイライラを鎮める働きがあります。