姿勢・ギャップ現象による身体の左右のアンバランス
2016/02/08
私たちの身体は左右対称ではありません。右と左には違いがあります。
顔で左右がシンメトリーであれば、美男美女の条件が一つクリアーということになる
のかもしれませんが、全く左右均等と言うことはあり得ません。
外見だけではありません。たとえば内蔵の位置にしても、肝臓は右側に、脾像は左
側に、心臓は左寄りにあります。
肺臓は、右側が三葉左は心臓があるため右より小さく2葉です。腎臓は左よりも右が
肝臓が右にあるために低い位置にあります。
さらに左右のバランスが崩れる原因として、人類特有の宿命的な事情があります。
それは私たち人類は、手を使って道具を操るということです。これが人の人たる所以
かもしれませんね。
この手を使うという動作では、多くの人が右利きです。家の作りや、いろんな道具な
どもほぼ右利きを前提に作られています。
要するに私たちの多くは、右手を多用盂しているということです。
そうするとどうなるのか。
右手を使い続けることによって、身体のバランスは最初からくずれているるというこ
とになります。
具体的には、右側の肩甲骨は前方そして外方に偏っているのです
そのために上部の背骨は引っ張られて右側に弯曲します。頸椎と腰椎は反対に左側弯
状態になっています。
そして右の背中の背筋、肝臓の裏辺りの筋肉は緊張して固くなっていて、それと反対
に左側の腰部・側フック部は縮んで堅くなっています。
これをギャップ現象と言いますが、私たちは生まれながらにして左右のバランスが悪
くできているということを認識しておいた方が良いです。
もちろん左利きの人もいるので、ギャップ現象は、あくまでも一般論であって、全
員がそうなっているということではありません。
しかし、鍼灸臨床を通じて、多くの方を観察していると、身体の左右のアンバランス
に、ギャップ現象に当てはまる場合が多いことがわかってきました。
日常生活でも、この左右の違いを意識して、これをバランスの取れる方向に近づけ
るようにすれば、より身体が軽く動かせたり、スポーツでのパフォーマンスが上がり
ます。また肩こりや腰痛などの予防にもなります。
具体的には、前方に行き過ぎている右側の肩先を意識的に後方に引き、縮んでいる
左側の腰と側腹部を伸ばすようにします。
運動の前後に行うストレッチでも、この動作を意識的に多めにやると効果的です。