足の裏や手のひらが熱い
2023/08/02
「体温が上昇したり、熱中症の際には(脇の下や首などが冷やせない場合)手のひらを冷やすとよい」とは言われますが、熱がないのに足の裏と手のひらが熱い場合、自律神経の乱れによって体温調節に異常が起こっていると考えられます。
冷え、発汗の症状を伴う場合は、更年期障害も疑われます。
足の裏や手のひらが熱くなる症状は、自律神経の働きの中でも体温調節に関わる機能の失調です。
東洋医学では血液や体液が不足すると身体の熱を冷ますことができなくなると考えます。手足のほてりの原因となる熱そのものが増えている状態、熱を調節する力の不足だと捉えます。
また、自律神経失調の場合、症状が多く起こる時間帯がみられます。
昼過ぎから夜にかけて多い傾向があります。生活リズムで考えると、朝の起床から徐々に高まった交感神経が、食事の消化や夜の睡眠に向けて副交感神経と切り替わるときですね。
熱いからといって、氷や冷たい水などで手足を急激に冷やす行為は避けましょう。
急激に冷やすと体温を戻そうとする働きが活発になるため、 逆に手足がさらに熱くなることが あります。
手足の熱感は漢方では五心煩熱(ごしんはんねつ)です。
五心は、両手両足と胸で5箇所になります。
交感神経の緊張ですが、腎の陰虚で虚熱が表面に出ていると捉えて治療します。結構、鍼灸治療で熱が取れます。
以前、手指の頑固な湿疹の患者さんで、指先の爪の際にある井穴というツボに対して熱を漏らす目的で接触する鍼灸治療をしました。
週に1回、半年ほど治療を継続したところ、体調の好転とともに指の状態は改善されて湿疹はほぼ消失しきれいな状態に戻り、とても喜んでいただきました。
指先の井穴というツボは、体内の余計な熱や邪気を取り除く命穴ですが、自律神経の調整にも優れた効果を発揮するものと考えています。