経絡と時間の関係
2021/01/24
冬は日が短く、日によって寒暖の差などもあり、体のリズムを崩しやすい時期です。
東洋医学の視点から、一日の体のリズムに沿った理想の過ごし方を紹介します。今回は、経絡と時間の関係について、あまり知られていないのではと思い、取り上げてみました。
心(しん)や肝(かん)などの身体を構成する「臓腑(ぞうふ)」は、常に体内を巡る「気」や「血(けつ)」によって養われていると考えるのが中医学です。
そして、気血がとくに多く流れ込む時間は、臓腑ごとにそれぞれ少し異なると考えられています。
この気血が注がれるタイミングによって各臓腑は活発になったり休んだりするため、人間もそれに応じて行動することが、養生につながります。
養生とは、日常や未来を健康に過ごすための土台作りであり、長い中医学の歴史の中で積み上げられてきた知恵の集大成です。現代においても、その恩恵を活かすことができます。
たとえば、朝7時~11時の間は、消化器官である「胃」や「脾(ひ)」が活発になる時間帯です。この時間にしっかり食事をとることで、栄養を効率よく活用することができます。
また、午後3時~7時は、膀胱と腎臓の時間帯です。
それに従うと、3時の休憩には利尿作用のあるお茶を飲み排泄を促し、仕事帰りには腎を刺激するために歩いたりジムでひと汗かいたり… そのような過ごし方が理想的だといえます。
その中でも最も大事なのが、夜の時間帯です。
夜11時~深夜1時の間は、消化を進めると同時に体の中を掃除する「胆(たん)」が活発になる時。その後の1時~3時は、体を巡っていた血が肝に戻り、浄化される時間帯です。
血は肌や髪を養いますが、目を使うことで消耗されるので、夜11時~深夜3時の間に起きていると、胆が働けないために脂肪が蓄積し、きれいな血が蓄えられないので肌や髪にも悪影響を及ぼします。夜更かしは、美容に悪いとか、ダイエットの敵、と言われるのはこのためですね。
深夜3時~早朝5時は肺の時間帯です。
新鮮なキレイな空気で、肺を養います。この時間もしっかりと眠っていることが理想的です。