瞑想で ポカポカ免疫力UP(2)
2023/03/07
前回: 瞑想で ポカポカ免疫力UP(1)の続きです。
寒さに負けない免疫強化法として《 瞑想 マインドフルネス 》は、心と体に働きかけると世界で注目されていますよね。
有名な国際科学誌に掲載された論文によれば、チベットの瞑想やマインドフルネスによって、体温が上昇すると報告されています。腹式呼吸でゆっくり息を吐いて副交感神経が優位になると、血管が拡張して血流がよくなり体温が上昇すると考えられるのです。
一般的にストレスや不安を抱えていると、交感神経が優位になり、血管が収縮して血流が悪くなりやすくなります。末梢血管の血流不足によって手足は冷たくなり、体温も下がる傾向が見られます。
瞑想やマインドフルネスで血流を良くする状態改善が期待できるだけでなく、血液中の免疫細胞の遺伝子(mRNA(メッセンジャーRNA))発現を調べたところ、瞑想をしたときとしないときでは遺伝子発現が変化することが最近の研究報告でわかりました。
mRNAは 伝令RNAともいわれ、簡単に言うと遺伝子情報のことで、その内容に基づいて必要なタンパク質を細胞は作っています。免疫細胞が持っている mRNA はたくさんの種類がありますが、必要に応じてmRNAを使い分けています。
つまり、瞑想をして発現するmRNAが変わるのは、免疫細胞が変化することを意味します。
一石 英一郎 博士(※) は、「遺伝子レベルでの免疫細胞の変化は、免疫強化に大いに役立つ可能性がある。瞑想は(単にリラックスしているときとは別に)細胞への影響が異なることも明らかされている。」と述べています。
※ 医師。がん診療を数多く行い、免疫学や遺伝子学に精通。
伝統医学と西洋医学を統合した統合医療研究などにも積極的に取り組む。
「マインドフルネス瞑想を1日8時間実行したグループと、読書・映画鑑賞ウォーキングなどで心身をリラックスさせたグループとで比較すると、前者はストレスからの回復が早かった」と海外の研究で報告されています。
理由として考えられるのは、「ストレス反応や炎症反応に関わる遺伝子の出現が変化していた」と結論付けられます。
鍼灸治療では、施術者は常にマインドフルネス状態でいることが必要だと私は考えています。
患者さんに対し、リラックスしながら集中状態で良い治療ができます。
具体的には〈グラウンディング〉と〈センタリング〉といい、身体の中心軸を意識して脱力し
てしっかり地面に立っている感じです。
ですから治療中は、常に足裏の感覚を意識していますし、自分の呼吸もモニタリングしています。
姿勢が悪くなると、〈かかと落とし〉をします。
これは心身統一合氣道でしている方法で、これを行うと脊柱のアライメントが正されて、姿勢が良くなり 力が抜けますよ。