最新メンタルヘルス入門
2022/12/16
最近私が読んだ図書のオススメ(読書の秋です) のうちの1つ、最新メンタルヘルス入門をしっかり読み終えました。
鍼灸への応用の可能性を含め、この本は治療家にとっても参考になると思います。
『心療内科の臨床心理士が伝える最新メンタルヘルス入門』 吉里心理士 (著)
ポリヴェーガル理論を臨床に役立てるためにはとてもわかりやすくて良書です。
ポリヴェーガル理論とマインドフルネスを中心にした方法が述べられており、それらを融合させた最新メンタルヘルスのノウハウが紹介されています。
メンタル疾患の捉え方や対処の方法が具体的にわかります。また、自分自身のメンタルヘルスの助けにもなります。
交感神経を【赤】
背側迷走神経複合体を【青】
腹側迷走神経複合体を【緑】
色をイメージするように書かれています。この色分けがとても良いです。
【緑】色の時間を増やしてゆくことがメンタルヘルスには大事ということです。
経絡治療は心身を緑にする、と捉えれば、鍼灸にも応用できます。
わかりやすい症例でいえば、新社会人の五月病などでしょうか。
新しい環境や大きなプロジェクトを頑張っている最中、気が張っています。この時は【真っ赤】な状態ですね。
その後、急にしんどくなって、気分の落ち込みや食欲不振が続く。【赤】から【青】にモードチェンジです。
仕事のオーバーワークにより家では動けない状態といった不調を訴える患者さまを診ることがあります。
そこで、経絡治療の【緑】をイメージします。右適応側の脾虚腎虚相剋調整をしました。背部と下肢には補陽灸です。
治療途中から腸が動き出し、グル音(腸蠕動音)が聞けました。帰られる時には楽になったと喜んでおられました。
【赤】や【青】も、自分自身を護るための大事な反応です。患者さんにもそう伝えて、ゆっくり休むようアドバイスをしました。
神経同調の視点から、治療家である私自身も【緑】色の状態が保てるようにありたいと思います。