腎虚によるホットフラッシュ
2022/09/22
大型台風が過ぎ去り、気候が急に涼しくなりました。なかなか身体がついていきませんね。
最近、ホットフラッシュの症状を訴える患者さんが多いです。
治療で治まっていた方も再発したりしています。
どうしてかなぁと思っていましたが、今年の夏の暑さのためだと気がつきました。
暑さのために腎が弱り(腎虚)、ホットフラッシュの症状が出ているようです。
「腎虚」とは、腎の気が足りなくなり下半身に位置する臓器の機能が低下した状態で、様々な全身症状をもたらします。
腰痛・肩こり・手足のしびれ・冷え、 喉がよく渇く、夜中に何度もトイレに起きるなどの症状が出やすくなります。メンタル面では、理由もなくイライラしたり、ちょっとしたことでも怒りっぽくなります。
上半身に気が集まった結果、のぼせたような状態(上半身は暑いのに下半身は冷えている、いわゆる「冷えのぼせ」)です。顔は赤くなりがちで、のぼせや動悸などの症状が現れることもあります。
腎虚に伴ってあらわれるイライラや落ち込み、不安感、焦燥感などを肝気の乱れととらえ、気が逆上する気逆や気の流れが滞る気滞がホットフラッシュの原因になると考えます。
体温調整がうまくいかず、顔汗やホットフラッシュなどが突発的に起こってしまったときの対処法は、ワキや首筋などを冷やす、カーディガンのように体温調節がしやすい服装を心がけるなどです。急に顔汗やのぼせを感じたときは、これらの方法を試してみましょう。
更年期などエストロゲンの減少によって起こる顔汗などの症状は、応急処置的な対処法だけでなく、日々の生活から改善することが大切です。
大豆食品に含まれているイソフラボンは、女性ホルモンに似たはたらきをする栄養素なので、エストロゲンの不足によって起こるさまざまな不調を緩和してくれる効果が期待できます。
身体が大豆イソフラボンをエストロゲンと勘違いし、エストロゲンが足りている状態だと思い込む仕組みです。
鍼灸では更年期の方に対して、「補腎(ほじん)」という腎の気を回復させるような治療をメインに行います。それから症状に応じて、心であったり、脾であったり、肝の治療を補助的に加えていきます。