長夏/土用の丑の日
2024/07/16
週間天気予報だと、梅雨明けを思わせますね。
東洋医学では梅雨を長夏土の季節としています。
梅雨入りから梅雨明けの時期、そして8月以降の台風などが来る期間の高温多湿のシーズンを長夏と言います。
長夏は、五行の土の性質を持ったシーズンです。
土には、破万物を生み出し再生するなど壊と創造という強い力が内在しているので、心身に不具合を起こしやすい時期なのですが、逆にこの季節をうまく乗り越えられると、一年を健やかに過ごすことができます。長夏の時期は、何事にも無理をしないことが大事です。
今年の夏の土用の丑の日は、2回もあるようです。
7月24日(水)に加え、二の丑が8月5日(月)となっています。
五行の考えでは、冬は「腎水」そして春は「肝木」になります。
その間に脾土の土用が設けられています。(四季それぞれに土用があります。)
土用の丑のウナギは、夏の土用で言われるので有名ですが、土用は「脾土」に属しています。
脾土はいろんなものを変化させる原動力で、季節の変わり目の変化を司っています。
各季節の節目が脾土の土用です。
私たちの身体の方は、なかなか急な変化についていけません。
脾土は、人体では消化器に属していて、この時期は胃腸が順調に働けば季節の変化にもついてゆけますが、胃腸を弱らせる時期でもあるので注意が必要になります。
土の季節は、脾胃と密接な関係があります。東洋医学の脾胃は、現代医学における胃腸の働きにあたり脾胃は、飲食物を体内に取り入れ、消化吸収して生命エネルギーに変換してゆく大切な働きをしてます。
この季節、脾胃は活発に働くのですが、暴飲暴食などで胃腸に負担をかけるとその働きが低下し、全身倦怠感や手足や顔面のむくみ、食欲不振、口内炎、便秘下痢、関節痛など脾胃の弱りに原因する様々な症状が現われます。
脾胃は、生命エネルギーである気血を生成して全身に行き渡らせる大事な働きをしていますが、これがうまく働かなくなると、全身に悪影響を及ぼします。
高温多湿のこの時期は、通常よりも胃腸に負担がかかるので、胃腸に余力を持たせるよう、腹八分目で食事の際は良くかむように心がけましょう。
脾胃の働きが低下すると、身体に不必要な水分(水邪)が停滞し、むくみや身体の重だるさ、関節の痛みやこわばりの原因となります。水邪を取り除くためには排尿と排便が大切です。
梅雨時期の鍼灸による経絡治療では、主に脾胃の働きを強化するために脾経と心包経を調整します。また、熱から心を守るために腎の経絡も合わせて調整することが多いです。
腎は温めることで強化できるので温灸などで腎を補陽します。また、夢分流打診実で腹部の調整を行い、水邪を取り除いてゆきます。
脾胃が安定していると、季節の移行もスムーズだと言うことですね。
陰陽論で考えると、陰陽未分化の太極に土が働いて五行が生まれるということです。
陽である肝と心が土の脾によって、陰の肺と腎に移行するということです。