接触鍼:ミニコラム
2024/05/09
数回にわたり接触鍼を取り上げてきましたが、接触鍼の理論的なバックボーンとして、ドナルドキーオン著書の「閃く経絡」があります。
この中に「経絡はファシア(Fascia)という筋膜などの膜組織であり、この膜はコラーゲンでできていて、これに微弱な電流が流れている」と書かれています。
※ファシア(Fascia)とは「膜」のことであり、臓器、骨、筋肉、脂肪、靭帯、血管、神経などの組織を覆う膜の総称です。 筋膜リリースでおなじみの「筋膜」もファシアの一つです。
これにヒントを得て、生体電気による鍼灸施術の理論ができました。
あと昔、「11円療法」といって健康雑誌で話題になったのですが、異種金属を手足のツボにはる治療法があります。
11円療法とは10円玉(銅)と1円玉(アルミ)の電位差による微弱な電流を人体のツボに流し、生気の流れを調整して不快な症状や病気を治すものです。
実は、東洋はりでも歴とした治療なんです。
PM粒と言って銅と亜鉛の小さな粒を手足の経穴にペアで貼ります。手と足のツボで電位差を整える治療です。
割と最近の話ですが、コロナ後の自律神経が原因だと思われる発熱に対して、銅と亜鉛の粒をツボにはることで発熱が治まった症例があります。これも生体の電位差を整える治療です。
当院でも、坐骨神経痛に使用して著効している例もあります。