コロナ後遺症と迷走神経の損傷
2023/08/30
5類に移行後、日常が戻りつつありますが、コロナ後遺症の症状に悩む方は少なくありません。
今もワクチンの副作用やコロナの後遺症を訴える患者さんが当院へ来られます。
先日、東洋はり医学会なみはや支部でも話題になったのですが、Forbes JAPAN(フォーブスジャパン) 公式サイトでの記事
新型コロナ後遺症、主因は「迷走神経」の損傷か 研究結果
Yahoo!ニュースにも紹介されていたので知っている方もおられるかもしれませんね。
迷走神経の損傷がコロナ後遺症の主因と言うのはとても納得できます。
これ、まさしく「腹側迷走神経」ですね。
ポリヴェーガル理論でも度々登場しました「腹側迷走神経」。
鍼灸によるメンタル治療では、腹側迷走神経複合体を元気にして、交感神経の高ぶりを下げる手技になります。
腹側迷走神経の働きを活発にしてストレスから起こる症状を抑え、繰り返し治療をすることでストレスそのものにたいして強い心身を育てていきます。
これまでに診てきたコロナ後遺症の患者さんほぼ全員が、前頸部のきつい凝りがあり特徴的だと思っていました。
私自身、コロナ後遺症は交感神経の過緊張じゃないのかなぁと考えていたのですが、記事の中に迷走神経の肥厚とあり、とても納得できました。
そういえば、一部で「新型コロナ後遺症にはBスポット療法が効く」と言われていまして、
※Bスポット療法とは、鼻の奥:上咽頭(じょういんとう)に消毒液を塗る簡単な処置ですが、これがきつくて超痛いそうです。
効果の程は何とも言えませんが、Bスポット療法には単なる消毒だけでなく、迷走神経を刺激する効果も知られています。研究結果に関連するかもしれませんね。
コロナ後遺症の患者さんに対して良い結果が出ているのも、後遺症の主因が迷走神経の損傷だということから、腹側迷走神経にアプローチしているメンタル治療の効果の裏付けになったと確信しています。
まだまだ多くの方がコロナ後遺症やワクチン後遺症で大変な思いをしています。
コロナ後遺症の主因が迷走神経の炎症性損傷であれば、より鍼灸などの理学的なアプローチが有効でもっと貢献できると私は思います。