過敏性腸症候群
2023/04/06
日中は気温が上がり暖かいのですが、まだ朝晩はひんやりする日が多いですね。
今年はお花見に出掛ける方も多く、夜桜を見に行って体が冷えた…なんてこともあるでしょうか。
冷えて下痢をするのと違って、過敏性腸症候群の場合は年中 腸トラブルが起こるので困りますよね。腸の運動は自律神経系がコントロールし、バランスが保たれています。
過度なストレスを感じると自律神経系のバランスが崩れ、腹痛や下痢が起こることがあります。これが慢性的だと過敏性腸症候群と診断されます。
当院で初診から2ヶ月で10回ほど治療を受けている患者さんですが、この4年間 ほぼ毎日下痢をしていた状態が落ち着き、(また下痢をするのではないか)という予期不安から起こるパニック障害も、近頃は起こらなくなったという嬉しい声を聞きました。
起きて活動しているときは交感神経が働き、腸の働きは弱まります。
休息しているときは副交感神経が働き、大腸の働きを強めます。
睡眠中は副交感神経が働き、大腸で水分が吸収されながら便が動いて、起床後に排便が起こるのが規則的なサイクルです。
ところが、大きなストレスを認識すると大脳辺縁系のような脳の深い部分に不安や緊張といった情動が発生し、脳の中心部にある自律神経系の最高中枢である視床下部に信号が送られます。
当院では、脉診流経絡治療を中心に「夢分流腹部打鍼術」を合わせ用いる事により、経絡と臓腑の両面から気のアンバランスを速やかに改善できるようにしています。
しかし、2ヶ月ほどの治療でこのような変化がみられたのは、経絡治療の優秀性を示すものだと私は思います。
それに加え、これからの鍼灸において【接触鍼によるメンタル治療】が大きな可能性をもっているのだと、強く実感しました。
先日、東洋はり医学会 大分支部 元支部長の橋本先生とお話しする機会がありました。
橋本先生も自律神経系とメンタル疾患を多く治療されています。
先生の臨床でも、8割以上が【てい鍼】による施術であること、また接触鍼の方が治療成績があがることを教えていただきました。
私も同じ見解でしたので、とても心強く感じました。