奥田鍼灸院

ポリヴェーガル理論[3]

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ポリヴェーガル理論[3]

ポリヴェーガル理論[3]

2022/02/08

◆前回までのまとめ◆

ポリヴェーガル理論は新しい自律神経のとらえ方で
①交感神経
②副交感神経系(背側迷走神経)
③副交感神経系(腹側迷走神経)
の三つの神経系があると考え

生体に対して外的あるいはストレスが加えられると、それぞれが防衛システムとして働き
③副交感神経系(腹側迷走神経) → ①交感神経 → ②副交感神経系(背側迷走神経)
の段階で、無意識に身体がそのストレスの程度を察知して、自動的に切り替わってゆく
 




今回は、③副交感神経系(腹側迷走神経)についてです。

腹側迷走神経系は、隣接する脳神経である三叉神経・顔面神経・舌咽神経・副神経そして有髄の迷走神経枝から構成され、一体となって働くので「腹側迷走神経複合体」と呼んでいます。

腹側迷走神経複合体は、他人と適切につながって自他を癒し、愛し合い、実り多い人生を生きるために働く神経枝といわれ、社会交流システムとして機能しています。
社会交流というのは、個人と他者とのコミュニケーションです。

対面している他者が、自分にとって安心安全な存在であるか、または私はあなたにとって安心安全な存在であるということを腹側迷走神経複合体が働いて伝えています。

私たちは、対面する相手の顔の表情や声のトーンや話し方で、この安心安全を判断しています。
腹側迷走神経複合体は、このコミュニケーションにおける安心安全を相手に伝えています。

安心安全であることは、コミュニケーションでは最も基礎的で大事なことです。
これは治療家と患者さんとの間でも同様で、「患者さんが安心安全な環境でいる」ということは、治癒力を十分に発揮できる条件です。

腹側迷走神経は、横隔膜より上に分布し、主に心臓と気管に多くの枝を送っていて、心臓の鼓動と呼吸をコントロールしています。

副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配していて、私たちが行うナソ治療(ナソ治療は、東洋はり医学会が独自に開発してきた頚肩部に対する治療法です)の中心的な筋肉です。

本治法(脈診、腹診、手足の皮膚の状態など体表に現れる変化と問診によって得られた様々な情報を総合的に判断して導かれた証に従って、全身の気血の調整を行います)によって、患者さんの脈はゆっくり打つようになり、呼吸は深く楽になってゆきます。
さらに声のトーンが良くなり、声が出しやすくなることもよく確認できます。

ナソ治療をする以前に、本治法のみでも頚や肩の緊張が緩みます。
このような現象も、腹側迷走神経複合体のしくみから解釈できるのでおもしろいです。
経絡治療によるメンタルケアでは顔の施術も重視していますが、同様の解釈ができます。

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