日照時間と「冬季うつ病」
2021/12/23
昨日は冬至でしたね。
冬至といえば昼間の長さが1年で最も短くなる日です。
ところで、冬至といえば「日の出が1年で最も遅く、日の入りが最も早い」と思われるかもしれませんが、これは間違いです。
実は、日の入りは12月上旬が最も早く、冬至の頃には徐々に遅くなり始めているのだそうですよ。
場所によって夏至と冬至の日照時間は異なりますが、それもふまえた上で、全国の平均的な夏至と冬至の日照時間の差は、約 5時間ほどあるそうです。
※夏至の日照時間は14時間30分程度、冬至の日照時間は9時間45分程度。
日照時間、といえば「冬季うつ病(季節性感情障害)」に注意が必要です。
私も以前この傾向がありました。若かった頃ですが…
夏場は普段通り元気だったのに、冬になるとどうも調 子が良くない。気力が湧かない、いくら寝ても眠い、食べ過ぎてしまう、など。
そんな心身の異変は、冬季うつ病のサインかもしれません。
一般的なうつと異なる症状もあり、1年を通してではなく夏場には元気になることも多いため、気付きにくいのが難点です。
気分の落ち込みや意欲低下などは一般的なうつ病と同じですが、食欲・睡眠については真逆です。過食・過眠になります。春になると症状は治まるため、まるで冬眠する動物のような感じです。
冬季うつ病は雪国に多くみられます。北欧などの高緯度で冬の日照時間が短い地域に多く、日本国内では日照時間が短い日本海側の地域に症状を訴える人が多いという調査結果もあるようです。
雪国といえば、日本で自殺死亡率の高い県が多いというデータもあります。秋田、青森、新潟といった雪国が多く、陽を浴びないと気分や意欲が落ち込むため 「雪国うつ」と称されることもあります。
日光を浴びる機会が減るとともにセロトニン分泌が減少することが要因です。
セロトニンは脳の神経伝達物質で心の安定や頭の働きを促します。
部屋にこもったり日照時間が短かったりすると分泌が進まず、眠気も強まり、その不足を補うため炭水化物を欲し、食生活も乱れ、悪循環となります。
”巣ごもり習慣”が根付いたコロナ禍では特に注意したいところです。
セロトニン分泌を増進するには、日光を浴び、適度な運動習慣を付けることが大切です。
外出が難しい場合は、朝カーテンを開けて日光を浴びながらストレッチするのも良いと思います。
経絡治療によるメンタルケアでは、うつ症状に対しては温灸を使用することが有効です。
当院オリジナルの補陽灸で、身体の陽気を補い強めます。そうするとだんだん元気になって、気分も上向きになってきます。