立春
2016/02/04
本日は立春です。
東洋医学の古典である「黄帝内経」(こうていだいけい)では、この立春を一年の始
まりとしています。
申年も今日からというのが正しいといえます。
立春は、文字通り春の季節を意味していて、春は風木で肝臓の季節です。
春といっても、まだまだ寒い日が続きますが、立春前後から、冬の寒さの中に、わず
かな春の気配を感じられるようになりますね。
どうして春が肝臓なんだと思う方もおられると思いますが、この季節と五臓の間に
密接な関係があるとしているのが、東洋医学の大きな特徴です。
私たちの心身と季節・自然との調和を最も重視しているのが東洋医学だともいえます
。
これを天人相関・天人合一といいますが、自然との調和によって、私たちの身体と心
が健やかに保たれるのです。ちなみに冬は腎臓の季節でした。
春のこの時期に注意することがあります。
春は風木肝臓の季節で、肝気が亢進しやすくなります。
冬の西高東低の季節配置では北西の冷たい季節風が吹いているのが多いですが、その
中に、この頃から暖かさを含んだ東風が吹くようになります。
この東風によって、肝気が生まれます。肝気は盛んになって、肝の陽気が亢進され、
相対的に肝血(かんけつ)が足りなくなって、肝血不足の状態になります。
肝血とは肝臓が貯蔵している血液です。肝血は筋肉を養っているので、これが足り
なくなると筋肉の引きつりを起こしやすくなります。
春先には、寝違えやギックリ腰などが多く発症しますが、このような私たちの心身と
季節との関係のメカニズムで説明することができます。
また肝気が盛んになりすぎると、いらいら・不眠など精神不安定な状態にもなってゆ
きます。
よく木の芽時に体調が悪くなる方がおられますが、これも肝気の亢進が主な原因です。
自律神経から考えると、春は不安定になって交感神経が緊張しやすい季節だといえ
ます。
今からの季節は、特に心身のリラックスやストレス対策に時間を使うように心がけま
しょう。