食と自律神経の関係
2018/05/29
自律神経が乱れる原因として、まず考えられるのはストレスです。
長時間労働・職場における人間関係・ホルモンの異常・生活リズムの異常など、これらのストレスに加えて、自律神経を乱れさせる原因として「食の問題」があげられます。
もちろん栄養不足だけが原因で、うつ・自律神経失調症になることはまれです。
精神的ストレスなどがあり、それと共に化学的ストレス(栄養の偏りなど)があると、うつ・自律神経失調症になる可能性があります。栄養の過不足も原因の一つとして、気をつけなければならないものです。
自律神経を乱れさせる原因としては
- 【糖質中心の食事】
特に摂取量を控えたいのが白砂糖です。血糖値が急上昇する吸収の早い糖を大量に取ることで起こる“低血糖”は精神を不安定にします。白砂糖やそれを多く含む食品、菓子類、ジュース類、果糖の多い果物もほどほどにすることをお勧めします。甘みは白砂糖でなく、オリゴ糖などの血糖値を急激に上げない糖を使うのも良いかと思います。 - 【腸内環境が悪くなる食事】
腸内環境を悪化させると、硫化水素やアンモニアなどの毒素が発生し、その毒素は腸から全身に行きわたります。心臓や肝臓などにダメージを与えるほか、吹き出物や下痢や便秘、腸の動きも悪くなり自律神経も乱れます。
乳酸菌と食物繊維の摂取を心がけましょう。
カフェインの摂り過ぎ(コーヒーやエナジードリンクの過剰摂取)を控えましょう。 - 【栄養素が不足している食事】
カルシウムが不足すると情緒不安定になるなど、神経活動に影響します。
ビタミンCは精神的な不安、ストレスを除きます。
マグネシウムが不足すると、落ち着きがなくなるなど、神経活動に影響します。
以上の3点に気を遣って、食に取り組むことも治療の一環だと思います。
東洋医学についても、食材の陰陽の性質・五味五色の調和などの先人の知恵が、大いに参考になります。
食と自律神経の関係については、これまであまり触れてきませんでしたが、自律神経の乱れの背景に「食の問題」が多いのは確かです。
食生活に偏りや異常があると、自律神経のアンバランスや、心の不調を起こしやすくなります。
実際に来院される方の食生活を詳しくお訊きすると、そのようなことを実感することがあります。
鍼灸治療とともに食生活の改善を行うことで、より治療効果が上がり、健康的な生活を取り戻せるようになります。
『規則正しい生活リズムと食生活』とはよく言いますが、生活指針というだけでなく、なるほど健康的に理にかなっているものですね。