小満(二十四節気)|五月病について
2018/05/20
二十四節気上では、立夏 (りっか) も過ぎ、小満(しょうまん)の候ですね。
【小満】:陽気がよくなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂るという意味
あらゆる生命が満ち満ちていく時期であり、太陽の光を浴びて万物がすくすく成長していく季節です。
そのような輝く季節にもかかわらず、「五月病(ごがつびょう)」という言葉が存在するのは、実に不思議なことでもありますが、草木が芽吹く頃は気温の変化も大きく、疲労が蓄積し、ホルモン・免疫・自律神経系にも影響が出やすい季節です。
「五月病」とは、新人社員や大学の新入生や社会人などに見られる、新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称である、というのはWikipediaの見解ですが、これはもちろん正式な病名ではなく、一般的には大型連休後に多くみられる、環境に適応できないことによる一時的なうつ状態・意欲低下状態の呼称です。
急激に無気力となり、ひどい場合は登校拒否・出社拒否に陥る事もあります。不安、抑うつ、焦燥などの精神的症状に加えて、不眠、頭痛、めまい、動悸、繰り返す感冒症状、食欲不振、悪心、下痢、全身倦怠感などの身体的症状も現れます。
東洋医学的に、春は「木」の季節とされ、五臓六腑の働きでは「肝」に影響しやすいとされます。
東洋医学でいう「肝臓」は現代医学のそれとは異なり、新陳代謝・感情の安定・栄血の貯蔵・筋肉の緊張維持を調整し、気分として「怒」それはストレスと密接に関係しています。
万物が伸びやかに生まれ育つ時期で、新陳代謝も活発になり、体内の陽気も動き始めます。初春のころは体がこの変化ついていけず、頭がぼーっとしたり、だるさを感じたりすることもありますが、無理をせず少しずつ体を動かすようにすれば楽に動けるようになります。
また、春には「風」も当てはまるので、春の養生では「風」の影響を抑え、「肝」を養うことが大切。特に気を付けたいのは、精神的なトラブルです。
「五月病」といわれるように、春は感情の調整機能を持つ「肝」が影響を受けやすく、イライラしたり情緒不安定になったりしやすい季節なので、「肝」を十分養ってストレスを発散するよう心がけましょう。