お灸が奏効した鬱病
2017/02/28
東洋医学では鬱(うつ)病を気の不足・気の滞りとしてとらえています。
滞りとは、気が身体をスムーズに流れず停滞している状態です。
これは身体のいろんな所に不快症状を現します。
気の不足とは、気そのものが消耗してしまい、文字通り元気が無い状態です。
これは気力や・やる気・好奇心など心の力が無くなっている状態です。
●男性 40代会社員
急に気分の落ち込みや今まで好きだったことに全く興味がなくなり強い抑鬱状態に
なり、同時に不眠と食欲不振に悩まされるようになり、心療内科で鬱症と診断されま
した。。
朝の倦怠感が強く、通常の勤務が難しく、三ヶ月間休職して自宅で療養をとっている
とのこと。
抗鬱薬と睡眠導入剤の服用を続けているが、鬱症状は改善せず、再び復職できるかど
うか不安になり当院に来られました。
来院時、発症から四ヶ月が経過している状態で、気力・やる気が全く無く、一日中
家でぼんやりしているそうです。
診察してみると、腹部・脈ともに力が無く皮膚は緩んで弱々しい状態でした。
また後頚部には強い筋緊張が手に触れました。
気の不足がだいぶ進んでいると判断して、治療は気を増やすことを目標に脾と腎の経
絡を中心に施術しました。
また不眠を解消することで鬱症状も改善されるので、後頚部の緊張を取るようにしま
した。
週に1回のペースで治療を継続しました。
開始後2ヶ月ほどは、あまり症状に変化がみられませんでしたが、腹部の緩みや脈力
は徐々に改善してゆきました。
治療開始から2ヶ月を経過した頃から夜だんだん眠れるようになり、少しずつ気力も
出てきたような印象を 持ちました。
気を補う目的で、自宅でも千年灸でお灸をしていただくように指導しました。お灸を
すると自覚的にも元気が出ることを実感され、毎日自宅でのお灸を続けていただいて
います。
お灸を始めた頃から、鬱症状がかなり改善されて、気力や興味も出てくるようにな
りました。
現在は治療開始から4ヶ月経過し、ほぼ以前の状態に戻られ復職もされています。
抗鬱剤も量を減らすことができており、今後は完全に薬を止めれるようを目標に当院
においても治療継続中です。