東洋はり医学会なみはや支部 4月例会報告
2016/04/22
4月17日は、東洋はり医学会なみはや支部の例会でした。
支部として活動を始めてから1年経過したことになります。
それまでの経絡治療臨床研究会の頃と何も変わっていないような気もしますし、大き
く様変わりしたような気もしたりして、何となく変な心持ちです。
●臨床雑話 奥田
1 百会()ひゃくえとコブラ帰り
治療をしている途中でふくらはぎや足裏の筋肉に引きつりを起こされる方が時々お
られます。
これはもともと筋けいれんを起こしやすい体質の上に、うつぶせなどの体位変換がき
っかけで引き起こされる場合が多いようです。
すぐに治まれば良いのですが、一度引きつりが始まるとなかなか治まらず、さらに引
きつる範囲が広がるような方もおられます。
そんな時に、咄嗟で思いついたのが百会穴です。
百会穴は、頭のてっぺん・頭頂部にあるツボで、ここをてい鍼と言って刺さずに接触
させる鍼を使って、叩打する方法で、筋の引きつりを治すことができます。
再現性の高い方法なので、紹介しました。
2 症例紹介 不安神経症
パニック障害から不安神経症に移行して不安感・動悸・血圧上昇に悩まされていた
女性の症例をお話ししました。
経絡治療による本治法と補陽灸を使って。早期に奏効した一例です。
●基礎講義 治療法則 奥田
経絡治療の理論的要である難経69難の項も今回で終了です。
●実践講座 めまい 奥田
経絡治療をしていると、めまいを扱うことがちょくちょくあります。
重篤な疾患のこともあるので慎重に対応する必要がありますが、多くの場合、自律神
経のアンバランスから生じているめまいが大半で、西洋医学でもはっきりした原因が
わからないようです。
こんな時には、経絡治療によって全身のアンバランスを整えることでめまいの症状に
アプローチすることができます。
●補瀉チェックポイント 2 酒見
補瀉チェックポイントは、もうづいぶん前に書いたテキストですが、改めて読んで
ゆくと、表現に不備があったり、書き換えたい所が出てきたりします。
今回取り上げることで、よりいっそう良いテキストにできればと思います。
●臨床実技 坂本・奥田
今回は、ナソ・ムノ治療を中心に実技を行ってみました。
ナソは頚肩部、ムノは腰仙部に対する東洋はり医学会独自の治療です。
経絡治療の治効原理をどのようにして一般の方に伝えれば良いのかということを考え
ています。
東洋医学的には、気の調整ということになりますが、これでは現代医学的な考え方に
なっている人にはわかりにくいようです。
私が考える経絡治療の現代医学的な治効原理は3つあります。
1 自律神経調整作用
2 間質リンパ循環促進作用
3 姿勢矯正作用
ナソ・ムノ治療は、2と3、つまりリンパ液の循環を促し免疫力を向上させ、良い姿
勢を作ることで、筋や神経系を良好な状態に保つ作用を担う重要な治療法です。
次回支部会は、5月22日(第4日曜)です。