顔面けいれん
2015/08/24
東洋医学では肝は筋を司るとされ、筋肉の症状に対しては肝に関わる経絡を調整することで治療します。
最近の医学でも筋肉は第二の肝臓であると言われるようになって、肝臓と筋肉の関係が注目されています。
2500年前の古代中国の医書である素問霊枢にすでに肝臓と筋の関係が明記されていることには驚かされるばかりですね。
40代の女性で、左顔面、目の周りの筋肉がぴくぴくとけいれんを起こし1週間続いているとの訴えでした。
徐々にけいれんする範囲が広がり、左鼻の横、ほっぺたから唇にかけて引きつるようになりました。接客業なので訴えは深刻です。
診察の結果、肝の亢ぶり(肝実)と診てこれを押さえる治療に加えて、顔面を巡っている経絡の調整を行いました。発症後間もなく治療できたこともあり、計3回の治療でけいれんは起こらなくなりました。
肝の経絡は、特に交感神経の緊張に大きく関わりがあり、今回の場合もそのようなメカニズムで症状を起こしていたものと考えています。