タグ別アーカイブ: 東洋医学

その寝汗、大丈夫ですか?

日中の気温が上がり初夏のような日が続いたかと思えば、どうやら例年より早い梅雨入りですね。

昼間は暑いぐらいなのですが、朝晩は比較的に涼しく、この時期の布団選びは難しいです。
羽毛布団で寝て朝起きたら寝汗をかいていた、なんてこともありますよね。

外の寒暖の差に関係なくじっとしていても出てくる汗や、運動したときに流れるようにかく汗は「自汗(じかん)」
寝ている間に首回りだけかくような汗は「盗汗(とうかん)」といいます。

汗にも色々なパターンがあり、これを鑑別することで、体質など様々なことがわかります。
鑑別診断学を通して、漢方的な生理のメカニズムを学べると考えています。

通常の動きや運動によってかく汗は正常ですが、大量に汗をかく場合は気(エネルギー)の不足《気虚》、寝ているとき首回りに汗をかく場合は 体の中の水分不足《陰虚》、の状態が多いです。

寝汗でも、全身にかく汗ならば通常です。
寝る際に体温を下げるよう、体温調節のためにかく寝汗は生理的現象です。首回りや頭部にだけかく汗は、熱が上にあがってしまっている時にかきます。

盗汗は、自律神経失調症の特徴的な汗です。
身体の陰陽のバランスが崩れていることの表れで、本来は陰の力が強くなるはずの夜の時間帯に陽が強く(身体の中の陰が不足しているために)なってしまいます。=陰虚、の状態。

そして陽が強い部分は上半身のため、首回りや頭に汗をかくわけです。

盗汗は、極端に疲労していたり、うつ症状の強い人にみられます。女性は生理周期にも関係あり月経前後や更年期になりやすい方が多いです。 続きをみる>

せき・咳払いと梅核気

先日より支部会のホームページやFacebookページが整い、緊急事態宣言下で支部員同士会えない間でも、意見交換など少しずつ活動的になってきたようで嬉しく感じます。

昨日Facebookページに私の報告で投稿しています「梅核気(ばいかくき) 」について、ここでも取り上げてみます。

ご時勢的に「せき」や「せき払い」を人前でしにくい今日この頃ですが、してはならない時に限って喉の詰まりを感じる、という人がいます。コンサートや講演会など周りが静かな時ほど気になりますよね。

こうした喉の詰まりは、東洋医学では喉の部分の気の滞りが主な原因ととらえ「梅核気(ばいかくき) 」と呼んでいます。

梅核気というのは、ちょうど梅の種のような物が喉にひっかかっている、または詰まったような感じを常に感じている状態です。病院で検査をしても喉には異常は無く、飲み込みづらいなどの違和感や、喉が狭くなっていて呼吸が苦しいとか息が充分に吸えないなどの様々な訴えがみられます。

当院でも、メンタルの訴えで来院される方の多くが喉の異常を抱えておられます。
ストレスを抱えて言いたいことも言えない、我慢しがちの人に多くみられます。

梅核気が重症化すると「ヒステリー球」とも呼ばれるようになりますが、喉の詰まり感と胃の張り・痛みで来院された患者さまも、自律神経の乱れからくる機能性ディスペプシアとヒステリー球を現在治療中です。

東洋医学においては原因の一つとして肝の気が上昇して滞っている状態と考えます。
鍼灸で、肝の疏泄機能を高めて気の滞りを解消する方法を行います。

奇経の陰維脈は、その流注が天突と廉泉で喉を巡っていて、期門で肝に直接入っていることから、梅核気に対して高い効果が期待できます。

治療では、特にみぞおちの所の緊張がポイントになります。
逆流性食道炎などを含め、メンタルに問題があると「心窩満」(みぞおちの所の緊張)の状態になっています。心窩満は主に肝の病床です。これを緩めることが治療では目標になります。

「肝の疏泄(そせつ)機能」と言いますが、鍼灸治療でもこの肝気を調節して全身の気の流れを滑らかにすることで、メンタル面の症状も比較的早く軽減することができます。

当院で行っているメンタル治療は、この肝気の調整に全身の気の滞りを取る接触鍼による施術が中心ですが、腹部打鍼術で直接この部分の邪(緊張)を取るようにすることもあります。
肝の経絡は足元からですので、冷えないよう足元を温めることも大事です。 続きをみる>

開院 30年目の4月8日

奥田鍼灸院は1992年4月8日に開院し、明日で30年目を迎えます。

今年は開業して30年目に入る節目の年ということで、30周年に向けての気持ちを、少しばかり。
年初めに、支部員に向けてのメールで年頭所感のような感じで書いたのですが、いろんな面で結果が出せるようになりたいなぁと思ってます。

まずは、鍼灸の可能性について思うことがあります。
鍼灸と言えば〈痛み緩和〉の治療がメインのように思われている節があり、実際、鍼灸師でもそのように考えている人が多いです。

これまで臨床をしてきて、鍼灸の真価は自律神経系とメンタルの治療にある、私はそう思います。
私の願いは、「メンタル症状は経絡治療で癒やしてもらえる」そんな流れが生まれることです。

理論的にも、具体的な治療についても、だいぶ形が出来上がってきました。臨床でも成果が上がっています。今後はこのテーマで研鑽したいと思っております。

そして、東洋はり医学会なみはや支部の活動を通じて、身につけた経絡治療の技で社会に貢献できる人材を育てていきたいということです。

鍼灸に携わって40年になりますが、この間ずっと東洋医学に対する興味は尽きず、今なお学び続けています。盲学校に入って鍼灸に出会えたこと、そして東洋はり医学会に入れたこと、開業できたこと。鍼灸に出会えた幸せを日々感じるとともに、すべてに感謝の気持ちです。

これまでを振り返り、やはり一番大事なことは継続すること「グリッド」だと改めて実感しています。

ところで、『ありがとう浜村淳です』というラジオ番組も、明日で周年記念だそうです。
※1974年4月8日(月曜日)に放送開始
50年近く続く長寿番組は、多くの人に愛されている証ですね。

放送開始40周年イベントでは、「何が何でも50周年を迎えたい」と宣言し、毎日放送社長から直々に「この番組のパーソナリティをずっとやって欲しい」と打診され、浜村淳さん自身80代のご高齢にもかかわらず「病気になっても病室から放送したい」と応えたのだとか。

最後に、『ありがとう浜村淳です』にあやかるように、当院へ来られる方にしっかり向き合えるよう、私自らも心身の健康に努めたいと思います。まだまだこれから、ですね。 続きをみる>

東洋はり医学会なみはや支部 例会に思う「感覚」の大事さ

先日21日の日曜日は久しぶりの、東洋はり医学会なみはや支部の例会でした。

当日参加した支部員からは、やっぱり皮膚感覚なんですね、との感想がありました。
LINE や電話・メールで連絡を取り合い、コミュニケーションと座学での学習は継続してきましたが、手から手へと伝える技術指導は感覚的なものです。

聴覚・視覚まではある程度オンラインでも補えますが、嗅覚や触覚はなかなか再現が難しいようですね。VR用触覚デバイスなども出てきているみたいですが、現在のARやVRは視覚や聴覚によるものが主であり、触覚については開発が遅れています。

最近注目されているのが「ハプティクス(触覚)技術」。画面をわずかに振動させてユーザーに情報を伝えるiPhoneの「Haptic Touch」など、スマートフォンとして既に普及しています。
ゲーム機器やVRデバイスなどエンターテインメント機器の開発は特に目覚ましく、多様な製品を生み出しています。

いま現在のように人との接触が制限されると、タッチテクノロジーの必要性が高まります。
人間が外界を認知するときの感覚、すなわち視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の「五感」が全て再現される日も近いのかもしれません。

ちょうど支部会の臨床雜話の中でも、皮膚について話をしたところでした。
NHK BSで放映されているヒューマニエンスという番組で、「“皮膚” 0番目の脳」 と言うタイトルで興味深い内容でした。進化の課程で、皮膚には五感すべての機能が備わっているということです。

AIなどで五感を数値化するにしても、温度感や湿度、間合いや雰囲気であったり、それこそ心や感情などの表面ではわかりにくい機微に触れる、というのは、やはり「リアル」でないと感じられないものだと私は考えています。

ひとまずは、来月の例会も行えますよう収束を願うばかりです。

それから、なみはや支部のホームページがもうすぐ完成しそうです。
私も学術顧問として所々登場しています。また公開したら、お知らせさせていただきます。

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お肌の大敵、春の乾燥注意!

昨日までのここ数日は春のように暖かく、過ごしやすい日が続きましたね。
大雪のニュースが報道されていたのもついこの間のことですが、3月にかけて三寒四温。季節の変わり目です。そんな時期は、どうも体調を崩しやすいだけでなく、お肌の調子も乱れがちです。

基本的に冬が乾燥しやすいとされていますが、乾燥のピークとされているのは 1・2月だそうです。
外的環境の湿度は降水量や気温によって大きく影響を受けてしまうので、積雪など降水量の多い時期となると湿度は高まります。

もちろん冷暖房の環境下や地域差もありますので一概には言えませんが、美容業界の方などは「魔の2月」とまで言うほどに、実は2月が1年で一番乾燥する時期なのだとか。

暖かくなってきた春の季節は、乾いた春風や花粉・砂埃・徐々に強くなる紫外線など外的ダメージも強くなり、肌はとても過酷な状態になります。冬を過ごした乾燥肌に加えて、外的刺激が加わる事で肌は過敏な状態になり、乾燥はもちろん湿疹やかゆみなどの肌トラブルを引き起こしやすくなります。

また春先は、気温が変動することで起こる寒暖差疲労に加え、新年度の始まりでもあり、仕事や引っ越しなど環境の変更によるストレスも受けやすく、自律神経も乱れやすくなります。特に今年はコロナ禍の不安も相まって、不眠の症状でお困りの方も増えています。

ホルモンバランスや体の免疫力も低下すると、体調だけでなく肌のバリア機能も低下してしまうので、肌はさらに過敏な状態になります。

そうした外的ダメージと内的ダメージが加わる事が乾燥肌を加速させ、肌トラブルを引き起こす引き金となっているのです。お手入れをせずに乾燥肌を放っておくと、シワ、シミ、たるみ、ほうれい線、くすみなど肌の老化を早める原因につながります。

 

経絡治療に美肌効果があることはあまり知られていないように思います。
昨今、美容鍼灸としてマスコミで取り上げられていることもあって、美容鍼灸のイメージでは、これでもかというぐらいの量の鍼が顔に刺されているのを想像する方も少なくないかと思います。

ですが、もともと生命力強化を行う経絡治療は、美容鍼灸として顔に特別施術をしなくとも、美容美肌効果があります。

通院されている方のお話でも、不定愁訴などの治療を続けているうちに、肌の代謝が良くなって肌の状態そのものが良くなっていくと聞きます。肌のきめが細かくなった、肌につやが出る、化粧ののりが良くなるとかおっしゃいます。

アトピー性皮膚炎の既往がある方は、ステロイドのためにお顔に黒ずみもあり乾燥した状態でしたが、治療に通われるうちに徐々に黒ずみが減少し、肌につやと潤いが出てきました。また施術後は、全体に顔の浮腫が取れて引き締まった状態になります。

このようなことは経絡治療をしているとよくあることです。治療を続けているうちに、肌の代謝が良くなって肌の状態そのものが良くなって行きます。

経絡治療の全身調整だけでも皮膚の状態は良くなりますが、美容目的で来られている方には顔面に対する鍼施術を加えることでよりいっそう美容効果が上がるようです。経絡治療での鍼施術は、皮膚に触れるだけの治療なので痛みも無く内出血などの心配もありません。

経絡治療の全身調整に、もともと美容美肌効果があることを知っていただければと思います。

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セルフケアの必要性

コロナウイルス感染症対策として、今やテレビ番組やCMなどでも「免疫力を高める」方法や商品が多く紹介されています。中には不安や恐怖を煽るトンデモ商法も存在するので、鵜吞みにせずに、しっかりと本質を理解して冷静な判断をすることが大切です。

緊急事態宣言の延長を受けて、ここのところ自宅で出来るセルフケアの需要が増え、免疫力向上として、お灸への関心も高まってきています。お灸講座・お灸教室などへの参加人数が増えていると耳にしました。

インフルエンザウイルスやコロナウイルスのようなウイルスとの戦いには免疫力が必要です。
免疫力を高めるためにも、自分で自分の健康を管理する能力、日々の養生はとても大切なのです。

コロナウイルスを排除するという西洋医学的な考え方が主流ですが、ウイルスは変異したり強くなることさえあるかもしれず、私は完全に排除することは難しいと思います。

ウイルスとの共存を前提とした社会、いわゆる「ウィズコロナ」として生活するための工夫が求められていると考えます。

東洋医学は、健康となる自然治癒力を引き出し高めて症状を改善する医学です。病気にならない、なりにくい健やかな身体を作ることで生命力を強化していきます。

セルフケアは、治療と治療の間をつないでもらうためにも大事だと思います。
患者さんがしっかりと自分の身体に向き合い、自分の身体に興味を持つと治療効果も上がります。お灸はセルフケアのきっかけとして手軽に取り入れやすいのも良い点ですね。

経絡治療を継続して受けていると、風邪をひきにくくなります。もし風邪になっても、寝込まない程度で治まることがほとんどです。
風邪は万病の元ともいいますが、経絡治療で免疫力が向上していることは自信を持って言えます。 続きをみる>

経絡と時間の関係

冬は日が短く、日によって寒暖の差などもあり、体のリズムを崩しやすい時期です。
東洋医学の視点から、一日の体のリズムに沿った理想の過ごし方を紹介します。今回は、経絡と時間の関係について、あまり知られていないのではと思い、取り上げてみました。

心(しん)や肝(かん)などの身体を構成する「臓腑(ぞうふ)」は、常に体内を巡る「気」や「血(けつ)」によって養われていると考えるのが中医学です。
そして、気血がとくに多く流れ込む時間は、臓腑ごとにそれぞれ少し異なると考えられています。

この気血が注がれるタイミングによって各臓腑は活発になったり休んだりするため、人間もそれに応じて行動することが、養生につながります。

養生とは、日常や未来を健康に過ごすための土台作りであり、長い中医学の歴史の中で積み上げられてきた知恵の集大成です。現代においても、その恩恵を活かすことができます。

たとえば、朝7時~11時の間は、消化器官である「胃」や「脾(ひ)」が活発になる時間帯です。この時間にしっかり食事をとることで、栄養を効率よく活用することができます。

また、午後3時~7時は、膀胱と腎臓の時間帯です。
それに従うと、3時の休憩には利尿作用のあるお茶を飲み排泄を促し、仕事帰りには腎を刺激するために歩いたりジムでひと汗かいたり… そのような過ごし方が理想的だといえます。

その中でも最も大事なのが、夜の時間帯です。
夜11時~深夜1時の間は、消化を進めると同時に体の中を掃除する「胆(たん)」が活発になる時。その後の1時~3時は、体を巡っていた血が肝に戻り、浄化される時間帯です。

血は肌や髪を養いますが、目を使うことで消耗されるので、夜11時~深夜3時の間に起きていると、胆が働けないために脂肪が蓄積し、きれいな血が蓄えられないので肌や髪にも悪影響を及ぼします。夜更かしは、美容に悪いとか、ダイエットの敵、と言われるのはこのためですね。

深夜3時~早朝5時は肺の時間帯です。
新鮮なキレイな空気で、肺を養います。この時間もしっかりと眠っていることが理想的です。

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