ひな祭り「桃」パワー!(2)
2026/03/19
前回で書ききれなかった桃のお話の続きですが、桃はバラ科の落葉樹で、花言葉は「チャーミング」だそうです。
春の順番として有名な、梅・桃・桜。 似ているのは、どれもバラ科だからですかね。
あと、どれも漢方に使われているというのは、以前のブログ 梅・桃・桜 でもご紹介しています。
桃の葉を入れた桃葉湯(トウヨウトウ)は、あせもや皮膚の炎症に効くとされており、桃の果実は邪鬼を祓い不老長寿をもたらすとされています。
中国ではお祝い事の際などに、桃の実の形をした「桃饅頭」を食べます。日本でも中華料理のお祝いメニューで、大きな桃饅頭の中から小さい桃饅頭がコロコロたくさん出てくるのを、結婚式や長寿祝いなどでされていますね。
3~4世紀頃の纒向遺跡(まきむくいせき:奈良県桜井市)から、祭祀に使われたと思われる大量の桃の種が出土しており、1カ所でこれほど大量に見つかった例はないと過去のニュースにありました。
古代日本人にとっても、桃がいかに神聖な存在であったかが推察されます。
その昔、仙人(女の神様)が住むといわれた崑崙山には、三千年に一度しか実がならないといわれる桃があり、この桃が不老長寿の秘薬といわれていたようです。西遊記の中にも孫悟空がこの桃を盗むシーンがありますが、それぐらい有名な桃です。
ちなみに、その仙人の名前は西王母。誕生日が三月三日なのだそうです。
桃の節句のもともとのルーツは中国にあり、季節の変わり目に厄災を祓い無病息災を願う行事「五節句」のうちの一つで、「上巳(じょうし)の節句」といわれています。節句については、ひな祭り 菱餅に込められた願い も参考ください。
※本来の上巳(じょうし)の節句は旧暦の3月3日で、現在でいうとちょうど4月上旬の桃の花が開花する頃です。
3月初めの巳の日に、水で身体を清める禊(みそぎ)や水垢離(みずごり)をして厄災を祓うという行事でした。
その行事は日本にも伝わり、草木や藁で作った形代(かたしろ)と呼ばれる人形(ひとがた)で、自分の体を撫でて穢れを移し、川に流して厄災を祓う行事へと変化したそうです。貴族が桃の節句に行っていた「流し雛」の風習が合わさったものといわれています。今でも各地に「流し雛」の行事は残っています。
その後、この人形を飾るようになり、江戸時代の中頃から「桃の節句」という呼び名で親しまれ、今の形になったようです。現代のように雛人形や桃の花を飾り、縁起の良いものを食べて家族みんなで女の子の健やかな成長をお祝いする行事として、ひな祭りは定着しています。
そういえば、桃の花がたくさん咲く様は「桃源郷」ともいい、夢のような理想郷のことをいいますね。
陶淵明の『桃花源記』という物語で、桃の花の咲き誇る林が理想郷の入り口だったことに由来しているようです。古来中国で桃は、邪気を払い不老長寿をもたらす「仙果」とされ、また「桃=逃(tao:タオ)」という音の繋がりから、争いから逃れる平和な場所の象徴として描かれています。
昨今の不安定な世界情勢から、桃の花を育てようかとも思う今日この頃です。
(虫がついて育てにくいので、今はやめておこうと思います。)

