カテゴリー別アーカイブ: 院長ブログ

ポリヴェーガル理論[1]

先日ご紹介した、私が最近読んだ本「ポリヴェーガル(poly-vagal)理論入門」
昨年11月の支部会に聴講参加された方もちょうど読んでいるところだったというのもあり、より興味がわきました。

ポリヴェーガル理論は、まだ解明されていない脳や神経系の働きや関係性、特に自律神経系の働きについての洞察が、トラウマやPTSD・発達障害などの治療に臨床応用されたため、欧米で広く知られるようになりました。

ポリヴェーガルとは、日本語にすると「多重(複数の)迷走神経」という意味です。
まず概要から説明します。

これまでの自律神経の捉え方は、「交感神経」と「副交感神経」の二つの神経系があって、両者がバランスをとることによって生体機能を営んでいるというものです。

ポリベーガル理論は、副交感神経系の重要な迷走神経を、背側迷走神経と腹側迷走神経の二つの系統に分けて考える新しい自律神経のとらえ方です。
つまり、交感神経:1、副交感神経:2、の三つの神経系がある、と考えます。

腹側迷走神経は延髄(脳)の前側からその枝を出し、背側迷走神経は延髄の後側から枝を出しています。発生学的には、最も原始的な神経系が背側迷走神経で、次に交感神経系が備わり、哺乳類に進化した段階で発生したのが腹側迷走神経系です。

赤ちゃんでイメージするとわかりやすくなります。
生まれたときは、進化上最も古い迷走神経である背側迷走神経(複合体)と、交感神経系を備えています。新しい迷走神経である腹側迷走神経(複合体)も育ち始めているけど、まだ未熟な状態です。

この三系統にはそれぞれ働きの違いがあり、生命の維持と外的に対する防衛システムとしての働きがあります。

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年頭所感

新春を迎え、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

奥田鍼灸院は、この4月で開業30周年を迎えます。
より一層、皆さまのより良い生活と心身の健康のお手伝いができるよう、精進してまいります。

先日NHK「きょうの健康」で鍼灸治療を取り上げられている回を見ましたが、番組では鬱症に対して鍼灸が効果あるということを伝えてくれています。鍼灸が心に効果があるという内容で評価できますね。
同局で年に数回配信されている『東洋医学ホントのチカラ』という放送も、最新の治療法やセルフケアなどわかりやすく紹介されているので見やすいかと思います。

最近読んだ図書では「電車に乗れない人たち最新版パニック障害、不安と恐れが無くなる方法」というのがあります。心理カウンセラーの著書ですが、その中で「エナジーサイコセラピー」が説明されています。これまでの常識を破るような効果があって、副作用もない方法だそうです。

この内容は、経穴に対するタッピングと井穴に対する圧刺激です。
メンタル治療でやっていることがそのまま含まれており、興味深いですね。
鍼灸師もこのあたりの研鑽がさらに必要だと思っています。

鍼灸を通じて、今年もどのような方と巡り会いご縁が生まれるのか、楽しみでもあり、身の引き締まる気持ちです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。 続きをみる>

よい年をお迎えください

今月の支部会も無事に開催することが出来、年内ラストの支部会はここ何年かで最も多い人数の参加で、にぎやかな活動納めとなりました。

今年も一年、あっと言うまでしたが、振り返るとなかなか充実していたように感じています。

ヨガも早い物で、個人指導を受けてから2年になります。
先日から、スタジオで行われているインド哲学の座学に参加しています。
まだ2回なんですが、月に一度なので続けたいと思っています。

本年も奥田鍼灸院をご愛顧賜りまして、ありがとうございます。
年内の診療は今日で終わり、新年は1月6日(木)から始めます。

みなさま、良い年をお迎えくださいませ。
新しい年が明るく良い年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
来年もどうぞ、奥田鍼灸院をよろしくお願いいたします。 続きをみる>

日照時間と「冬季うつ病」

昨日は冬至でしたね。
冬至といえば昼間の長さが1年で最も短くなる日です。

ところで、冬至といえば「日の出が1年で最も遅く、日の入りが最も早い」と思われるかもしれませんが、これは間違いです。
実は、日の入りは12月上旬が最も早く、冬至の頃には徐々に遅くなり始めているのだそうですよ。

場所によって夏至と冬至の日照時間は異なりますが、それもふまえた上で、全国の平均的な夏至と冬至の日照時間の差は、約 5時間ほどあるそうです。
※夏至の日照時間は14時間30分程度、冬至の日照時間は9時間45分程度。

日照時間、といえば「冬季うつ病(季節性感情障害)」に注意が必要です。
私も以前この傾向がありました。若かった頃ですが…

夏場は普段通り元気だったのに、冬になるとどうも調 子が良くない。気力が湧かない、いくら寝ても眠い、食べ過ぎてしまう、など。
そんな心身の異変は、冬季うつ病のサインかもしれません。

一般的なうつと異なる症状もあり、1年を通してではなく夏場には元気になることも多いため、気付きにくいのが難点です。

気分の落ち込みや意欲低下などは一般的なうつ病と同じですが、食欲・睡眠については真逆です。過食・過眠になります。春になると症状は治まるため、まるで冬眠する動物のような感じです。

冬季うつ病は雪国に多くみられます。北欧などの高緯度で冬の日照時間が短い地域に多く、日本国内では日照時間が短い日本海側の地域に症状を訴える人が多いという調査結果もあるようです。

雪国といえば、日本で自殺死亡率の高い県が多いというデータもあります。秋田、青森、新潟といった雪国が多く、陽を浴びないと気分や意欲が落ち込むため 「雪国うつ」と称されることもあります。

日光を浴びる機会が減るとともにセロトニン分泌が減少することが要因です。

セロトニンは脳の神経伝達物質で心の安定や頭の働きを促します。
部屋にこもったり日照時間が短かったりすると分泌が進まず、眠気も強まり、その不足を補うため炭水化物を欲し、食生活も乱れ、悪循環となります。

”巣ごもり習慣”が根付いたコロナ禍では特に注意したいところです。
セロトニン分泌を増進するには、日光を浴び、適度な運動習慣を付けることが大切です。
外出が難しい場合は、朝カーテンを開けて日光を浴びながらストレッチするのも良いと思います。

経絡治療によるメンタルケアでは、うつ症状に対しては温灸を使用することが有効です。
当院オリジナルの補陽灸で、身体の陽気を補い強めます。そうするとだんだん元気になって、気分も上向きになってきます。 続きをみる>

年末年始の診療について

今年も一年ご愛顧ありがとうございます。
年末年始の診療についてお知らせします。

当院では、12月31(金) ~ 1月5日(水) 迄 休診とさせていただきます。

年内は30日(木)までです。 年明けは1月6日(木)から始めます。 よろしくお願いいたします。

暖かい日があれば翌日は急に寒くなったりと、温度差の大きい日が続いています。 どうぞ体調に気をつけてお過ごしください。 続きをみる>

歩く、走る、足元が大事です

先日、今年初(もう年の瀬ですが)の長居公園マラソン練習会に参加しました。
外周コースを2周、歩いたり走ったりしてきましたが、本当に身体がなまってしまっていて、これはなんとかしないとなぁと実感しました。

そのような思いもあり、この日曜にも同じ練習会に参加してきました。
歩くだけのつもりだったのですが、1周走ることが出来ました。少しずつ以前のフルマラソンを完走した時の自分の状態に近づけたらと思います。願わくば、体型の方もぼちぼちと…

歴史的な名勝負を生んだ「びわ湖毎日マラソン」も、つい先日の「福岡国際マラソン」も、今年で最後と放送されていました。都市部のインフラ整備に伴うコースの交通事情や、出場ランナーとスポンサーの集中など、大規模市民マラソン化は時代の流れでしょうか。

マラソンランナーにつきものなのが足の不調ですが、ランナーに限らず膝や踵など足の痛みを抱える方は多いと思います。特に冬先など気温が冷えてくると痛みを感じやすくなります。

以前に「浮き指」について 書きましたが、動作の基礎となる足底機能がしっかり使えていないと、運動パフォーマンス以外にも色々と支障が出てきます。

足の指が浮いている人は、歩く時や走る時も足の指を使えていない人がほとんどです。
しっかりと地面を蹴ることができず、無駄な筋力を使い、疲れやすくなってしまいます。
ふくらはぎの疲労感が強い方は、足の指を使っていないかもしれません。

「何ごとも基礎や土台が大事」といわれますが、自然な状態で立位を保つだけでも基礎となる足底の感覚改善はとても大切です。足の裏には、体の傾きや地面の状況などを感知する、多数の”メカノレセプター”が存在します。全身のバランスを保つために大切な役割を担っています。

当院ではこのメカノレセプターの仕組みを利用した温灸術を行っています。
歩くときに足元が不安定であったり、転倒の予防を目的に温灸で足裏を温めることによって、足裏にあるメカノレセプターを活性化させて、身体のバランス感覚を高めるようにしています。

また、この温灸はとても心地よく、上半身に上がっている気を下に引き下げる効果もあり、多方面に効果が期待できます。故障なく健康的に運動が出来るよう、足元から見直してみましょう。 続きをみる>

迷走神経、ナソ治療

先日は、なみはや支部の支部会でした。
(感染状況も落ち着き、先月に続き今月も支部会を開催することが出来ました。良かったです。)

私が最近読んだ本で、新たな自律神経の働き「ポリヴェーガル(poly-vagal)理論入門」について話をした際に、支部会に聴講で参加していた方が今ちょうど読んでいる最中でビックリしたと、嬉しい奇遇がありました。「ポリヴェーガル」とは「多重迷走神経」という意味ですが、この辺の話は改めてまたご紹介します。

自律神経のみだれやメンタルの諸症状は様々ですが、東洋医学的な見方をすると、その本質には気がスムーズに身体を巡っていないこと=「気滞(きたい)」にその原因があると考えます。

過度なストレスは気を滞らせ、気滞の状態になることで交感神経の働きが過剰になってしまいます。気滞で心身が限界まで到達すると、副交感神経から成る迷走神経が自然に高ぶります。生体の防御反応として迷走神経が働き、生じるわけです。

東洋はり医学会で行われている頚肩部に対するナソ治療の主治範囲と迷走神経の働きは、多くの部分で類似しています。
ナソ治療は、東洋はり医学会が独自に開発してきた頚肩部に対する治療法です。

肩こりなど頚肩腕部の症状は言うまでもなく、胃腸疾患、婦人科疾患、精神症状など幅広い症状に効果があります。リンパ液の循環を促し免疫力を向上させ、良い姿勢を作ることで、筋や神経系を良好な状態に保つ作用を担う重要な治療法です。

これはナソ治療によって、迷走神経の働きが活発になって多くの経絡の気血を整えることができるからなのですが、頚部交感神経節の興奮をナソ治療は鎮静する作用があると考えています。 続きをみる>

月の満ち欠け

二十四節気では「立冬」ですね。暦の上ではこの日から立春の前日までが冬になります。
木枯らしが吹き、木々の葉が落ち、はやいところでは初雪の知らせが聞こえてきます。真冬の寒さに備えて、冬の準備を始める「こたつ開き」の時期でもあります。

10月上旬は、まだ残暑かというぐらい暑い日もありましたが、後半は急に冷え込む日が増えてきました。11月に入ってからは秋らしい日が続くように感じます。

さて、11月19日の夕方から宵にかけて、日本全国で「部分月食」が見られるそうです。
今のところ天候は良さそうなので、しっかり見えるのではないでしょうか。

関西(関東以西)では、月の出現よりも部分月食の始まりの方が早いため、月が欠けた状態で登ってきます。

最も欠けた状態になるのは18時頃で、月の直径の97.8%まで影に入る、大変深い部分月食になるとのことです。(ただし、月が欠けるといっても真っ暗になって完全に見えなくなるわけではなく、少し暗くなっていくという感じだそうです。)

月食とは少し違うかもしれませんが、東洋医学では月の満ち欠けと正気の盛衰を意識しています。

正気とは生命エネルギーのことで、新月から満月に向かう15日は正気が徐々に強くなって、満月から新月にかけては正気が徐々に衰えてゆくと考えます。

治療も正気が乏しくなっている新月あたりでは、正気を損なうようなきつい治療はNGとされています。この時期は正気を増やすような補いの治療を中心にします。 続きをみる>

癒される鍼灸院(Uさん 女性)

4年前に婦人科の病気を境に更年期症状の首、肩、背中の痛みと、30年以上続く偏頭痛に悩まされていました。今まで整骨院や頭痛外来などにも通いましたが殆ど改善されず、ネットで奥田先生を知り通い始めました。

初めての鍼灸院に緊張しましたが、すごく穏やかで優しい先生に今では癒されています。

週1回、通い始めて3ヶ月になりますが、気が付けば「あれ?最近あんまり痛くないかも」と、いつの間にか あれだけ毎日憂鬱だった痛みを不思議と感じなくなってきています。

奥田先生の鍼治療は全く痛みもなく、マッサージのように優しく心地良いだけなのに、いつの間にか体の不調を全て治してくれていて本当に不思議な治療です。

これからも宜しくお願いします。 続きをみる>

その後の経過観察

先日から書いている梅核気の患者さん〈臨床雑話(姿勢と喉:症例①&②)でご紹介しています〉は、お二人とも経過は良いです。
調子が良い日が増えてきたとのこと、治療家として嬉しく思います。

40代の女性は【天突(てんとつ)… 左右の鎖骨が交わる中央部】部分の圧迫感を訴えておられます。陰維脈を意識した治療で、自律神経系の症状は治療できると考えます。

それから前回のブログで書いていますメンタル症状の女性のお二人ですが、こちらも良い感じで経過しています。

不安神経症の方はオンラインでヨーガのレッスンを受けているので、こちらからはヨーガニードラのCDをオススメしたところ、とても気に入って実習されています。

そして、鬱でイライラ感がとても強い方は、「2回治療した時点で食欲が出てきて、今までできなかったこと・・例えば買い物などもできるようになり、気持ちが前向きになってきた」とうれしそうにおっしゃっています。

オキシトシン効果なのかアロマ効果なのか、とにかく2回の施術でこれだけ変化することには、鍼灸治療のメンタル症状に対しての可能性を強く感じますね。 続きをみる>