『エンパス』とメンタル症状
2023/05/22
歌舞伎俳優である市川猿之助さんのニュースが取り沙汰されていますね。
5月は「5月病」などと云われるぐらいですから、どうも人身事故が増えたり、不眠やうつ症状などのメンタル不調を訴える方が多いです。
私が最近思うことは、メンタルで来院する方の多くは『エンパス傾向』があるということです。
エンパスについては支部会でも話をする機会があるのですが、スピリチュアルで使われる言葉であり、あまり馴染みのない言葉かと思います。
「エンパシー」といえばわかる方が多いのではないでしょうか。「エンパシー(empathy)」=「共感」です。エンパスとはつまり、簡単に言うと「共感力の高い人」を指します。
ただ優しいとか、想像力があって共感しているのではなく、「他人の感情を自分の感情のように感じてしまう」といった体質の人が該当します。
外界および自分の身体感覚について、とても敏感に感じやすく影響を受けるということです。
たとえば、職場で揉め事があり、自分は直接的に関係がなくても、その影響を受けて心身が不調になります。治療家にもこのエンパス傾向のある方が時々いますね。
それでいうと、HSPの特徴と似ているように思えます。
以前にブログでご紹介した 人一倍繊細で敏感な性格の人のことです。
※HSP(Highly sensitive person:ハイリー・センシティブ・パーソン)とは、「生まれつき繊細で感受性が強すぎる気質の人」のこと。
そっくりなようですが、いくつかの違いがあります。
・人間関係や心情に特化したエンパスとは違い、視覚や聴覚などすべてに敏感なのがHSP。
(エンパスはHSPの一種、という捉え方もできそうです)
・エンパスは「自分事」に感じ、HSPは人の感情を自分の感情のように感じることはない。
痛みや悲しみを自分の感覚にしてしまうのは、エンパスだけの特徴だといえるでしょう。
HSPは心理学的(科学的)、エンパスはスピリチュアル(非科学的)、と言われるのも、この要素が強いのかもしれません。