奥田鍼灸院

鑑賞して楽しむ「秋の七草」

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鑑賞して楽しむ「秋の七草」

鑑賞して楽しむ「秋の七草」

2019/09/12

台風による被害が毎年増えてきていますね。
秋の風物詩でもありますが、サッと通り過ぎてほしいものです。

ところで秋といえば、「春の七草」のように、「秋の七草」なるものがあります。

ちなみに「春の七草」は、1年の無病息災を祈ったり、正月料理で疲れた胃を休めるものとして、1月7日の人日(じんじつ)の節供に七草粥で食する風習が今でも続いていますよね。正月も三が日を過ぎると、スーパーの店頭に七草粥セットなどで並ぶため、ご存じの方も多いでしょう。

しかし、秋にも七草があることは意外と知られていません。秋の七草の存在を知っていても、七草の名前を全て言える方はもっと少ないでしょう。

「秋の七草」は一般的には、奈良時代の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)が万葉集で次の2首の歌に詠んだことから、日本の秋を代表する草花として親しまれるようになったとされています。

 「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
(万葉集  一五三七 巻八)


 「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花(おみなえし) また藤袴 朝貌(あさがお)の花」
(万葉集  一五三八 巻八)



1つ目の歌で「秋の野に咲いている草花を、指折り数えると7種類ある」とし、
2つ目の歌で「それは萩の花、尾花、葛(くず)の花、撫子(なでしこ)の花、女郎花(おみなえし)、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花である」と述べています。

※「朝貌」については「朝顔」「木槿(ムクゲ)」「桔梗」「昼顔」など諸説ありますが
現在 一般的には「桔梗」を指すとするのが有力なようです。

〈 秋の七草の紹介 〉
【萩】(ハギ)
「萩」とは「秋に咲く草」という意味。お彼岸のおはぎは、この萩に由来します。

【桔梗】(キキョウ)
花期は夏なので、夏の着物によく描かれています。根は太く、喉に効く生薬になります。

【葛】(クズ)
茎で籠や布を織り、根から採取したでんぷんがくず粉となります。
くず粉で作ったのがくず餅。漢方薬の葛根(かっこん)は、葛の根を乾燥させたものです。

【藤袴】(フジバカマ)
乾燥させると香りが強く、桜餅のような香りがする。貴族たちは湯に入れたり、衣服や髪につけていたとか。別名「蘭草」「香水蘭」。

【女郎花】(オミナエシ)
恋に破れて身投げした女の脱ぎ捨てた山吹色の衣が、この黄色い花になったといいます。全体に大きく白い花が咲くのは「男郎花(オトコエシ)」。二つの自然交配種は淡い黄色で「オトコオミナエシ」といいます。

【尾花】(オバナ)
ススキのこと。草が茂っている様子が「薄(ススキ)」で、穂が出た状態は動物の尾に見立てて「尾花」といいます。ススキは「茅(カヤ)」ともいい、これで葺いた屋根が「茅葺屋根(かやぶきやね)」です。

【撫子】(ナデシコ)瞿麦とも表記
愛児を失った親が、その子の愛した花を形見として撫でたことに由来し、別名「片身花」といいます。日本女性の代名詞「大和撫子」はこの花からきています。

春の七草が七草粥にして無病息災を祈るものに対し、秋の七草はその美しさを鑑賞して秋の風情を楽しむものです。そのため、これにちなんだ節供や行事があるわけではなく、7種一緒に何かの祭祀などに使用されることもありません。
秋の七草の特徴は、見て楽しめるだけではなく、薬用など実用的な草花として昔の日本人に親しまれたものが選ばれている、ということです。

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