足底メカノレセプター

野球の日本シリーズが終わり、開催地でひとしきり盛り上がったラグビーの試合も終了。
スポーツが大いに活気づきましたね。

先日のなみはや支部会でも話題にあがりましたが、アスリートの中でも注目されているのが「メカノレセプター」という足底のセンサーです。

足の裏には、刻々と変化する体の傾きや地面の状況などを感知する、多数のメカノレセプターが存在します。特に足裏の内側うちくるぶしの下の辺りと親指の付け根に多く存在しています。

メカノレセプターは接地した足底部が身体の微妙な反応を、床反力を介して力学的情報として受け取ることで、刻々と変化する身体や地面の状況に対応します。さらに、足底が受ける刺激が抗重力筋の緊張を誘発して、自動的・無意識的に立位での動作を維持し、上肢を解放しているのです。

このメカノレセプター、全身のバランスを保つために大切な役割を担っています。
運動において、上肢の動作を効率よく行うために意識したいのは、下肢の安定性です。野球やゴルフなどのフォームをイメージしていただければ、理解しやすいかと思います。

以前に「浮き指」について 書きましたが、動作の基礎となる足底機能がしっかり使えていないと、運動パフォーマンス以外にも色々と支障が出てきます。
「何ごとも基礎や土台が大事」といわれますが、自然な状態で立位を保つだけでも基礎となる足底の感覚改善はとても大切です。

日本では古くから草履(ぞうり)や下駄(げた)が存在しますが、鼻緒が足に良い刺激を与えるととともに、しっかりと地を踏み、身体を安定させて、上肢運動を効率よく遂行させていたというわけです。

視覚情報が遮断された状況下では、足底部のメカノレセプターからの情報が身体動揺の調整に重要であるという研究結果もあります。上肢のパフォーマンスがなかなか向上しない場合、体幹や下肢、そして足底にも注目して、リハビリを実施してみてはいかがでしょう。

当院ではこのメカノレセプターの仕組みを利用した温灸術を行っています。
歩くときに足元が不安定であったり、転倒の予防を目的に温灸で足裏を温めることによって、足裏にあるメカノレセプターを活性化させて、身体のバランス感覚を高めるようにしています。

また、この温灸はとても心地よく、上半身に上がっている気を下に引き下げる効果もあり、多方面に効果が期待できます。人が安定した行動をとるために必要な足底機能について、感覚受容器の視点からその重要性を見直し、適切な運動の効果について考えてみましょう。

具体的な運動としては、足指を意識した歩行やタオルギャザーなどを継続して続けることで、筋力の向上が報告されています。高齢者の転倒防止なども期待できると考えられます。