自律神経のみだれによる発熱

患者さま(中学1年生 女子)のケースです。




2週間前より、37.5 ~ 37.8℃ あたりをいったりきたりする 微熱が続いているとのこと。
病院でいろいろな検査をしても異常は見つからず、ストレスによる自律神経のみだれだろうという見解でした。

微熱の他に、身体のだるさと食欲不振があり、この2週間の間で登校できたのは2日ほどだそうです。身体を診させていただくと、顔面から頭部そして手のひらにかけては熱感があり、かなりしんどそうな状態でした。

これに比べて、足先はとても冷えており、冷汗も触知できました。
脈は力無く、やや早く打っていました。

この状態は冷えノボセで、東洋医学では「逆気(ぎゃっき)」といいます。
逆気は、主に腎の弱りから起こり、心とのバランスが崩れて心に熱がこもり、発熱や倦怠感などの症状を起こしています。

中医学ではこれを「心腎不交」と云い、不眠や動悸、頭痛などの原因にもなります。
鍼灸治療は、まず腎の弱りを強化して、心とのアンバランスを整えるようにします。
その上で、上半身にこもっている熱を冷まし下半身の冷えを除くようにします。

今回は、皮膚に触れるだけで施術できる、チタン製の鍼を用いました。
また、熱を取るのに優れた効果を出す鑱ざんしん:ラッパ型の刺さない鍼)と温灸も使用しました。チタンは、イオン化傾向が最も高く身体との親和性に優れており、生体電気のアンバランスを平衡化する働きを強く持った金属です。

脈にやや力が出て、ゆっくり打つようになったことを確認して施術を終えました。
3日後に再度診させていただいたところ、前回の治療後、帰宅して検温したら、平熱に戻っていたとのことでした。翌日からは、とても元気になり食欲も出てきたそうです。

今回は足の冷えも無く、ノボセの状態は解消されていました。
2週間続いていた発熱が1度の鍼治療で下がり、元気を取り戻したことは、施術者としてとてもうれしいことであり、身体の状態に対して適切な施術ができることと速やかな効果が得られることに改めて東洋医学のすばらしさを感じた症例でした。