脈拍(脉診)からわかること

コロナ関連で、「パルスオキシメーター」がニュースで取り上げられることがありますね。
装置(プローブ)を指にはさみ、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置です。

脈拍数は、一般的な血圧計でも最高・最低血圧とともに測るものが多いと思います。
脈拍(脈診)からわかることは多く、定期的に脈を取り続けていると、普段と異なる脈に気付くことができ、健康状態を知るバロメーターにもなります。

戦国武将の健康意識は高かったといわれますが、なかでも独眼竜で知られる伊達政宗(享年70歳)は、「推脈(すいみゃく)」=脈診、が特技だったようです。自分の脈をとることで病気の早期発見をしていたといわれています。医者も感心するほどに的確で、家臣の脈もとっていたのだとか。

余談ですが、先日終わったばかりの大河ドラマ『麒麟がくる』でも脈診と鍼が登場していました。
堺 正章 演じる東庵先生に治療を受けるシーンがありましたが、東庵先生のモデルは曲直瀬 道三(まなせ どうさん)で、明智光秀が曲直瀬道三に治療を受けたというのは史実です。
それどころか、最近の研究では明智光秀自身も医述の心得があったということがわかってきて、私としても興味深いです。

脈は安静時と運動時ではもちろん違いますし、恐怖や驚きなどの精神状態にも影響されます。
飲酒時や発熱など、体調によっても変化します。

また、脳梗塞などの多くの病気を引き起こす不整脈の発見や、心臓の病気の発見につながることもあります。女性の場合は妊娠でも脈の打ち方が変わってきます。
脈診で、体の異変を早期の段階で察知できる場合もあります。

当院の治療においても脈診は、腹診、手足の皮膚の状態など体表に現れる変化と問診を組み合わせて得られた様々な情報を総合的に判断して、気血の状態を把握します。
中医学の診察では四診(ししん)といいます。

望診:ぼうしん(視覚による診察法)患者さんの顔や舌を見る
聞診:ぶんしん(聴覚、嗅覚による診察法)声色を聞いたり体臭を嗅ぐ
問診:もんしん 質問を提示する
切診:せっしん(触覚による診察法)脈や手足背腹に触れる

望・聞・問・切、の4つの診察方法(四診 ししん)によって総合的に判断した証を導き出します。