「やいと・おきゅう」の由来

師走も半ばを過ぎ、グッと寒さが増してきましたね。

さて前回、滋賀県はお灸のふるさとだという話をしましたが、今回は「やいと」「おきゅう」の由来について書いてみます。

平安末期には「炙所」と書いて「やいとう」と呼んでいたようです。
鎌倉時代には、その読みが「やいと」に縮まります。
戦国時代には「炙所 → 焼処」と、「やい」の字に「焼」を当てはじめました。
※「とう(と)」の字も「遠」とする説もあるようですが、「処」が一般的。

「焼処」は「やけど」とも読むことができますが、「やいと」と「やけど」では、全く意味合いが変わってきます。一方で医療行為、その一方では事故的不可抗力。能動的にも異なりますね。

モグサ(艾)をすえる(居える・据える)と表現するようになるのも鎌倉時代からのこと。
そもそも「据える」とは、「位置を決めて物や人を容易には動かないよう、しっかりと置いたり重要な地位などにつかせる」という意味です。

ちなみにモグサの語源には、「燃え草(もえぐさ)」「揉む草(もむくさ)」など諸説あります。

現在では「お灸」と一般的に呼ばれます。【 接頭語の「お」+「灸」】
元々は上流階級への施術からきているようで、雅な言葉で「御やいとう」という表記も過去の書物には登場しているとか。ということは、「御灸」からお灸になった経緯もあるかもしれませんね。