月別アーカイブ: 2020年2月

邪気を払う、邪気とは

2月ももうすぐ終わりですね。
今年は閏年なので1日多いのですが、なんだか年明けからあっという間です。

2月の行事である節分は、立春の前日でしたが「季節を分ける」という意味があります。
『季節の変わり目には鬼がでる』といわれたことから、「鬼は外、福は内」と豆をまく慣わしや、柊と鰯の頭を玄関に飾る習慣ができました。

この柊、葉の鋭いトゲによって邪気を払う木、とされています。(老樹になると、トゲがなくなり丸い葉になってしまいますが・・ヒトも「人間が丸くなる」と云われるぐらいですからね。)

古典の記載から「不足」を 、「有餘(ゆうよ)」を 、と定義することができます。
不足と有餘は、あらゆるものを対象としています。素問や霊枢といった東洋医学の古典が編纂され、現代に至ります。

虚 とは:「邪気」と「精気」で引き起こされる生体の闘病反応が【弱い】状態
実 とは:「邪気」と「精気」で引き起こされる生体の闘病反応が【強い】状態

「邪気」は弱くても、それ以上に「精気」が弱ければ、病は発症します。
同じ「邪気」に罹患していても「精気」の強弱によって生体の反応は異なります。
逆に「精気」は一定でも「邪気」の強弱によっても生体の反応は異なります。

たとえば身体が疲れているときに(=精気が減少しているときに)寒い場所でじっとしているとカゼをひいてしまうようなものです。これは、簡単にいうと、正気が減少したために寒気が体内に入り込み、寒気が寒邪として発病因子となったということです。

東洋医学では、病の原因となるものを「邪(じゃ)」といいますね。
例えば寒邪(かんじゃ)、熱邪(ねつじゃ)、風邪(ふうじゃ)などといいますが、これらは素問・霊枢など東洋医学の古典の中に出てくる言葉で、身体に対して病を及ぼしたりするもの・原因・ひずみ(アンバランス)というようなニュアンスで書かれ、大体そのような意味だろうとして一般的に読まれていると思います。

「邪」について、現代の東洋医学の基本書では
・人体に対する障害因子を「邪気」としてとらえる。(『基礎中医学』)
・「邪気」とは、各種疾病の発病因子を指す。(『新版 東洋医学概論』)
と書かれています。

症状の原因がどこにあるのかを考察して、その原因を取り除いてゆくことが鍼灸治療になります。東洋はり医学会のコラム:「邪鬼」と「邪気」https://www.toyohari.net/thblog/4933/
でも取り上げておりますので、ぜひお読みください。

コロナウイルスもそうですが、インフルエンザや花粉症の時期です。
以前にもご紹介しましたが、当院では治療室での空気にも配慮しています。

パナソニックのEolia<エオリア>エアコンと、次亜塩素酸 空間除菌脱臭機 ziaino<ジアイーノ>で院内の空気の清潔に保ち、外からの邪が入らないよう、治療環境にこだわりたいと思っています。 続きをみる>

ロンドンでの、うつに対する鍼灸治療

先日NHK総合テレビで「東洋医学ホントのチカラ」という特番がありました。
東洋医学 ホントのチカラ 冬のお悩み一挙解決SP

水曜のゴールデンタイムでの放送だったので、ご覧になった方も多いと思います。
内容は、冬にみられる心身の不調を東洋医学で解決し、ツボ押しなどのセルフケア方法を紹介するというものです。

アイドルグループやアスリートの方の、鍼灸でのメンテナンス紹介などもあり、なかなか鍼灸に対して喜ばしい内容でした。
近年3000年の歴史をもつ東洋医学の治効メカニズムが、現代科学で徐々に明らかになってきています。古代中国の知恵に、ようやく科学的なエビデンスが得られるようになってきたのだと思われます。

番組中で私が特に注目したのは、ロンドンで行われている うつに対する鍼灸治療の紹介です。

イギリスで鍼灸。しかも、うつの治療。
少々奇異に思われた方も多いのではないかと思いますが、私が所属している【東洋はり医学会】は欧米にも多くの支部があり、私の恩師である元副会長の鹿住 晴廣 先生も、ロンドンでの経絡治療の講習会に招聘され、多くのイギリス人鍼灸師を指導しておられました。

番組では、鍼灸治療でうつの症状が改善されている様子が紹介されました。
また日本においても、うつに対する鍼灸治療の臨床研究が大学病院などで始まり、その治効メカニズムとともに治療成果が7割以上の患者さんに認められたと紹介されていました。

具体的には、鍼灸治療によって、うつに深く関係しているとされる脳の前頭葉の血流が大きく改善されていることがわかってきました。また、最近のうつの発症メカニズムとして、ストレスによって脳内に炎症が起こり、この炎症のために神経活動が低下してうつが引き起こされるといわれるようになっており、鍼灸治療はこの炎症を減らしている可能性があると考えられています。

当院でも、もう何年も前から、うつや不安神経症、パニック障害などのメンタルの症状に対して経絡治療で取り組んできました。
その経験から、確かに鍼灸は心に効くのだと確信を持つようになりました。

以前のブログでも触れておりますが、東洋医学には3つの大きな特徴があります。
予防としての医学、自然と人との調和、そして心身の相関による心身医学です。

日常においても、鍼灸治療を受けると、身体が軽くなり気分が明るくなったり、億劫だったことが何ら問題なくできるようになったり、考え方が前向きになったりという声をよく聞きます。
これは経絡治療が、単に肉体に効いているだけではなく、メンタルヘルスにも良い影響を及ぼしているのだと考えられます。 続きをみる>

経絡治療の病に対する予防的な効果

新型コロナウイルスの情報が、連日報道されていますね。

日本においては現在、流行が認められている状況ではありませんが、正しい情報をしっかり把握しながら、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様に一人ひとりの咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。

ところで、経絡治療を週に1度ほど続けておられる方からよく言われるのが

「鍼治療をするようになってから風邪をひかなくなった」
あるいは
「風邪をひいても寝込まずに治るようになってきた」

施術している者にとって、とてもうれしい発言です。
これは経絡治療が、免疫力向上とともに自然治癒力向上に働いている証だと考えられます。

西洋医学的に言えば、自律神経のバランスがとれることで、顆粒球とリンパ球のバランスが良い状態に保たれ、免疫力が向上していることを示します。

東洋医学では、3つの病の原因があります。

1つ目は、暑さ寒さなどの外的環境、そしてウイルスや細菌などが体内に侵入してきて起こる病を外邪による外感病(がいかんびょう)といいます。

2つ目は、外邪によるものではなく、過度の感情の変化や精神ストレスによって内を害する内因による内傷病 (ないしょうびょう)です。

最後3つ目は、飲食の不摂生や良くない生活習慣で生じる不内外因です。

東洋医学には未病という思想があります。
未病とは、まだはっきりとした病ではないが、放置しておくと病になってしまう状態のことで、東洋医学の目指しているのは、この未病を治すことだといえます。

風邪は万病のもとと言われますが、文字通り経絡治療で風邪以外の病に対しても予防的な効果があると実感しています。 続きをみる>