鬱病と鍼灸治療


先日のNHK特集「ココまで来た鬱病治療」は興味深い内容でした。

予想としては認知行動療法的なものが紹介されるのかなと想っていましたが、予想は

大外れ。

米国で行われている、最近の脳科学から生まれたと言う療法で、頭を磁気刺激するも

のだそうです。

刺激する場所は、DLPFCと呼ばれる所で、左の前頭葉です。

このDLPFCは、判断と意欲を司り、また扁桃体と呼ばれる脳の深部の箇所の働き

を抑制することができるそうです。

扁桃体は、不安感・恐怖心・悲しみなどの感情が生み出される所で、鬱病は、この扁

桃体が暴走している状態だそうです。

磁気刺激によって、dLPFCの血流を改善し、低下している働きを活発にして、扁

桃体の暴走を押さえ込むと言うお話しでした。

番組では、脳の深部に電極を埋め込み、電気刺激で云々と言う治療も紹介されていま

した。

何ともアメリカ的と言うのか、脳を1つの機械として捉えているようですね。

しかし、重傷の鬱状態も、この療法で改善されているので、これからの治療法の1つ

であることは間違いないのかもしれません。

私達の鍼灸治療とりわけ経絡治療でも、鬱病あるいは鬱状態に対して効果的であるこ

とは、これまでの臨床経験や多くの先輩達の経験を通じて確信を持っています。

臨床をしていて鬱状態あるいは精神的ストレスの関与が強いと想われる方の左手のつ

ぼの反応に特徴的なものが認められます。

左右の手のつぼの反応を観察すると、左側に皮膚の緩みの反応があり、右側は緊張の

反応があることが多いです。

治療は、全身の気のアンバランスを整えることをしますが、もちろんこの手の反応の

左右差を戻して行くようにします。

番組を見ていて、この手のつぼ反応の左右差とDLPCが左前頭葉にあることが、ど

うも関係しているように想いました。

手の経絡の反応を取ることで、頭部の血流改善に働くのは十分考えられることです。

このようなメカニズムで、鍼灸が鬱病や精神的な症状に効果を出しているのかもしれ

ません。