秋味・秋鮭、トキシラズ、ケイジ

11月に入り、二十四節気の暦の上では立冬 (りっとう)です。
11月7日頃から立春の前日までが暦では冬。日は短くなり時雨が降るような季節ですね。
今から真冬の寒さに備えて、冬の準備を始める「こたつ開き」の時期でもあります。

「食欲の秋」「味覚の秋」と言われるぐらいですから、秋は食べるのが楽しみなシーズンですね。
霜降~立冬にかけて、この時期の旬の食材は、魚介でいえば【 鮭 】。

この時期の鮭は「秋鮭・秋味」と呼ばれ、産卵のため一斉に故郷の川へ戻ってきます。(北海道・東北地方では鮭・塩鮭の意でもよばれるようです)9~10月の旬の味として昔から親しまれ、冬の間の貴重な食料として重宝されていました。
産卵が近いので身の脂は少ないのですが卵(筋子)を腹いっぱいに抱えて遡上します。

また秋にさきがけて、夏に岩手や北海道東岸に現れるサケをナツザケ・トキシラズとよびますね。
トキシラズ(時知らず)とは、ロシアの川に遡上する予定の鮭が日本の領海内を通るときに定置網漁などで水揚げされた鮭です。5月から7月の間かけて獲られるので、“本来の秋と時をまちがえた鮭” という意味で「時知らず」と呼ばれています。
本来の漁獲時期より早く水揚げされたトキシラズはまだ若い鮭なので、とにかく脂がのっていて、秋鮭と比べて脂の量が3~4倍もあり、生で食べるとその脂から「鮭の霜降り」のような状態だそうです。

トキシラズより更に希少で貴重な鮭が「ケイジ(鮭児)」です。
鮭の児(こ)、と書くのは、まだオス・メスの判断も付けづらい子どもの鮭で、回遊中にたまたま秋鮭の漁猟と一緒に獲れるため、そうよばれます。
若い鮭で脂をしっかりと蓄えていて、通常の鮭の脂身が体の2~15%程度に対して、ケイジは20~30%脂を含んでいて、言うなれば「トロ」状態。漁獲量は普通のサケ1万匹に対して1~2匹程度と非常に少なく、こちらも幻のサケといわれて入手が困難な超高級魚です。