生あくびと自律神経

秋になると夜が長くなり、ついつい夜更かしをしがち、という方もいるようです。
日中にふぁ~~っと、あくびが出るようなことは、誰にでもあるかと思います。

しかし、あくびが止まらない、というのは困りものです。
「あくび(欠伸)」は、疲れたり眠くなったりすると身体や心が休息を求めて出る生理現象ですが、病気の警告サインでもあります。
特に、眠気がないのに出る「生あくび」には注意が必要です。

脳の働きが鈍くなり、酸欠状態のようになると、反射的に「あくび」がでます。
大きく空気を吸い込むことで、新しい酸素を脳に送り、低下している脳の働きを活性化してくれます。また、あくびで口を大きく開くと、顎の筋肉が刺激され、脳に刺激が与えられることも判ってきました。
つまり、「あくび」は脳の働きが鈍くなったり、身体の休息が必要な時に起こる「防衛反応」だといえます。

それでは、なぜ脳の働きが鈍くなったり、身体の休息が必要な状態になってしまうのでしょうか?

原因の一つは、睡眠不足です。
睡眠時間は足りているつもりでも、眠りの質が低く、身体や脳が休めていないこともあります。もしくは、眠ろうとして横になっても、なかなか寝つけなかったり、途中で目が覚めてしまう、というようなこともあります。
このような睡眠障害の場合、睡眠時無呼吸症候群も考えられます。睡眠中に息が止まり、体内の酸素が減ってしまうため、眠っているつもりでも体や脳が休息をとりにくい状態です。
肥満体型の人、上向きで寝る人、扁桃腺が腫れている人、お酒を寝る前に飲む人などに起こりやすいといわれています。眠っている間にいびきをかいているか、呼吸が止まっていないかを家族に確認してみましょう。

また、貧血も脳の酸欠のもととなります。
貧血では血液が薄くなり、十分な酸素を身体に届けることができません。特に脳は大量の酸素を必要としますので、貧血により酸素不足になると、あくびをすることでより多くの酸素を取り込もうとするのです。目の粘膜や爪が白いなどの症状が出ることもあります。

自律神経失調症が要因となることもあります。
緊張状態にある時に働く「交感神経」と、リラックスしている時に働く「副交感神経」の二つを合わせて自律神経と呼びますが、この自律神経は、私たちが意識しないところで、常に体の臓器・血管などの働きを調整しています。
自律神経のバランスが崩れると、あくびが出やすくなることがあるといわれています。
ほてり、汗、頭痛、動悸など様々な不快症状を伴うこともあります。

東洋医学では、睡眠のトラブルを「肝の異常」としてとらえます。肝は血を司るとして、全身の血液の流れを肝がコントロールしています。たとえば、何か物を見るとき、肝は眼に多くの血液を送ります。歩くときには足に多くの血液を送る具合です。
夜になって眠るときには、全身の血液の多くが肝に戻って貯蔵されます。この際、肝に十分に血液が戻らない状態になると、寝付きが悪くなったり眠りが浅くなったりと、様々な睡眠のトラブルを引き起こします。

また、肝の気血不足や、肝気亢進なども睡眠障害の原因となります。
経絡治療では、この肝に関わる経絡を調整することによって、身体を眠れる状態にもってゆきます。