梅雨の養生

関西地方も先週に梅雨入りしましたね。
去年よりも14日早く、平均でも1日早い梅雨入りだそうです。

東洋医学では梅雨を「長夏(ちょうか)土」の季節としています。
梅雨入りから梅雨明けの時期、そして8月以降の台風などが来る期間の、高温多湿のシーズンを長夏(ちょうか)と言います。(長夏は東洋医学の独特の概念で、湿度がある季節のことになります。)
また、「土用の丑の日」といわれる土用ですが、四季それぞれの土用(立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間のことを指します)の時期も長夏に当てはめています。

《土の季節の養生法》
長夏は、五行の「土」の性質を持ったシーズンです。土には、魔物を生み出し再生するなど【壊】と【創造】という強い力を内在しているので、心身に不具合を起こしやすい時期です。
反対に、この季節をうまく乗り越えられると、一年を健やかに過ごすことができます。

長夏の時期は、何事にも無理をしないことが大事です。
五行説で「土」の季節は、「脾胃」と密接な関係があります。東洋医学の脾胃は、現代医学における胃腸の働きにあたり、飲食物を体内に取り入れ、消化吸収し、生命エネルギーに変換してゆく、大切な働きをしてます。

この季節、脾胃は活発に働くのですが、暴飲暴食などで胃腸に負担をかけるとその働きが低下し、全身倦怠感や手足や顔面のむくみ、食欲不振、口内炎、便秘下痢、関節痛など脾胃の弱りに原因する様々な症状が現われます。消化吸収や血液をコントロールする役割を持っている脾胃の働きが落ちると、生命エネルギーである「気」が作られずに、食欲不振、やる気が出ない、疲れやすいなど「気虚(ききょ)」の症状が出ます。

脾胃は、生命エネルギーである気血を生成して全身に行き渡らせる大事な働きをしていますが、これがうまく働かなくなると、全身に悪影響を及ぼします。高温多湿のこの時期は、通常よりも胃腸に負担がかかるので、胃腸に余力を持たせるよう、腹八分目で、食事の際は良く噛む(咀嚼する)ように心がけましょう。

脾胃の働きが低下すると、身体に不必要な水分(水邪)が停滞し、むくみや身体の重だるさ、関節の痛みやこわばりの原因となります。
水邪を取り除くためには排尿と排便が大切です。腎臓の働きを強めるゴボウ、利尿作用がある豆類を積極的に取るように心がけましょう。
またこの時期は、適度な運動で発汗することでも、体内の水邪を除くことが可能です。

梅雨時期の鍼灸による経絡治療では、主に脾胃の働きを強化するために、脾経と心包経(しんぽうけい)を調整します。また、熱から心を守るために、腎の経絡も合わせて調整することが多いです。腎は温めることで強化できるので、温灸などで腎を補陽します。
他には、夢分流打診術で腹部の調整を行い、水邪を取り除いてゆきます。