東洋医学と「冷え症」

立春を迎え、梅の花もそろそろ開花を迎えます。
春を感じるような日もありますが寒い日も続き、冷え症の人にはまだまだツライ時期ですね。

西洋医学には「冷え症」という病名はありませんが、東洋医学では「冷え」の状態が諸々の病気の発生に大きく関わっていると考えます。古く後漢時代に書かれたとされる『傷寒論』という書物は東洋医学の原点とされており、『傷寒論』=「寒さに傷(やぶ)られた体=病気 を論ずる」という意味であります。

『傷寒論』の内容は、漢方処方について書かれています。たとえば「桂枝湯(けいしとう)」というのは生姜なども含む体を温める生薬で、葛根湯(かっこんとう)も含みます。日本でも葛根湯は江戸時代からどんな症状にも効くとされ、葛根湯処方する葛根湯医者がいたといいます。下痢でも腹痛でも、あるいは吹き出物やかゆみ止めにも効くとして、当時は様々な患者に出していたようです。

実際、体が冷えると、体内にコレストロールや中性脂肪、糖などの余剰物、尿酸、乳酸など種々の物質が燃え残り、血液を汚すことから種々の病気が発生していくと考えられております。
「風邪は万病の元」というのは、決して言い過ぎではありません。
葛根湯の効能書には「カゼ、気管支炎、結膜炎、中耳炎、頭痛、肩こり、発疹、化膿疹、下痢、赤痢、高血圧、夜尿症などに効く」とされています。

冷えの原因は血行の悪さですが、これは自律神経のみだれによって血管の動きが緩慢になっている状態です。血管は、交感神経が強く働いている時に収縮し、副交感神経が強く働いている時には拡張します。
この自律神経がバランス良く働いていると、血管は適度に収縮と拡張を繰り返し、全身の毛細血管まで血液は行き渡ります。

経絡治療は冷え症に対しても有効です。
血行を良くして冷え症を改善させる根源は、自律神経を整えることにあります。経絡治療によって自律神経を整えれば、冷えの症状も改善されてゆきます。

当院では、鍼と温灸を使用することによって、より速やかに血の巡りを良くして冷えの症状の改善を促しています。温灸は、以前東洋はり医学会で使われていた田中式温灸器を独自に改良して補陽灸と名付けて活用しています。これは練りモグサを熱原として、とても穏やかで心地よい熱感を与えることのできる温灸です。