夏の「汗」にみる体調のバロメーター(後編)

前回:夏の「汗」にみる体調のバロメーター(前編)に引き続き、「汗」と体調について書いてみますね。

汗がたくさん出ると、恥ずかしいという以外に、もうひとつ気になることがあります。

それは、汗による「臭い」です。
汗の原料は血液です。汗腺は血液の血球を除いた血しょうをくみ取って汗として排出します。
汗から塩分やミネラルなど体に必要な成分が排出されすぎないよう、汗腺は、汗が臭くなる成分を体で再利用されるようにするか、尿で外に出すように処理しています。
それが、急に汗腺の仕事量が増えると手が回らず、汗が臭くなる成分が汗と一緒に出てしまうのです。

汗腺の濾過(ろか)機能がしっかり働いていれば、残りはほぼ水分で、サラサラとした「良い汗」が出ます。汗は時間がたつと、皮膚の雑菌などによってニオイが発生しますが、かきたての「良い汗」は無臭です。

「良い汗」「悪い汗」については、健康番組などでも取り上げられておりますので、特徴をまとめてみましょう。

「良い汗」
・小粒でサラサラ
・限りなく水に近く、汗をかいてもスッキリ爽快
・皮膚の表面から蒸発しやすく、効率的に体温調節できる

「悪い汗」
・大粒でベタベタ
・汗腺の機能がうまく働いていない、血しょうの成分が残ったままの濃い状態
・水分が蒸発しにくく、体温も下げにくいことから、熱中症の原因にもなる
・大量に発汗するとぐったり疲れる
・含まれる成分に雑菌などが繁殖しやすくなることから、かいた直後からニオイが発生する

1日1回体を動かして、汗をきちんと出す事が重要です。
加えて、年齢によるものや食べ物、血行不良、睡眠不足からくる自律神経の乱れなどが原因になることもあります。

また、「悪い汗」は、おなかにも悪い影響を及ぼします。
「悪い汗」で体温を一定に保つには、大量に汗をかかなければなりません。そのため、体内の水分量が必要以上に失われてしまい、脱水症状をおこしやすくなります。結果、腸内の水分が少なくなり、お通じが滞ってしまう可能性があるのです。

さらに、お通じが滞り、腸内環境が乱れると、ニオイの元となる物質が腸の中にたまりがちになります。それらが腸から身体へと再吸収され、血液中をめぐり、汗とともに排出されることで、汗のニオイが強くなってしまうこともあるのだそう。

「悪い汗」をかいているときは、自律神経の中でも交感神経が優位になっています。すると、副交感神経への切り替えがうまくいかず、副交感神経が司っている腸のぜん動運動も滞ってしまうのです。エアコンのきいている部屋から炎天下に出た時や緊張している時などに、汗をかくとともにおなかの調子が悪くなるのは、そのためです。

東洋医学からみると、体から出る分泌液には、臓器不調のサインが隠れている場合があります。

「心」と「汗」は深い関係があります。
「心」が不調だと、ことあるごとに顔や体全体に「汗」をかきやすいとされています。
「汗」は、「心」の不調の他にも次のような体のサインを示すことがあります。

《起きている時に汗を大量にかく場合》
→「気(エネルギー)」の不足

《寝ている時に汗をかく場合》
→ 体の中の水分の不足

※通常の動きや運動によってかく汗は正常です。

外の寒暖の差に関係なくかいたり、昼間少し動いただけでだくだくと流れるようにかく汗は「自汗(じかん)」
寝ている間にかいて目が覚めると止まる汗は「盗汗(とうかん)」と言います。

頭部にだけかく汗は、熱が上にあがってしまっている時にかきます。

手足にかく汗は、体にとって必要な潤いが不足しているタイプに見られる汗です。夜に汗をかいたり、午後あたりから微熱が出ることもあります。

汗をかくことによる体感の気持ち悪さは、こまめに拭き取る、着替えるなどして調節し、夏はしっかり汗をかく!これが自然であり、大切なことなのです。

東洋医学では、次の季節の体調は、その前の季節をどう過ごすか、によると考えます。