タッピングと鍼灸治療

最近、自律神経のことを扱ったテレビ番組が多くなっているようです。

 金スマでも自律神経徹底解明・ストレスを取り除くこつと言う特番をやっていまし

た。

それだけ医学会でも一般社会でも注目度が高くなっているのでしょう。

当院も自律神経調整という観点から鍼灸治療を広く一般の方々に広めてゆきたいとい

う願いを持って日々の臨床にのぞんでいます



 そんなテレビ番組の中で、最近タッピングと呼ばれるケアーの方法が紹介されるよ

うになっています。

これは手指の腹の部分で頭部や顔面部または手足や背中などを極軽い力でリズミカル

に触れてゆくというものです。

これによって自律神経が整えられ、また不安感や鬱症状など精神的な症状にも効果が

あるということです。



 このタッピングの方法は、鍼灸治療とりわけ経絡(けいらく)治療の施術と通じる

所が多くあります。

ほぼ皮膚に触れるだけの軽微な施術を散鍼(さんしん)と呼んでいますが、これがタ

ッピングと同様の効果を心身に与えていると考えられます。



 自律神経がみだれ、ストレスを抱えている方の身体を観察していると、たいていの

場合、頭部の皮膚に緊張があったり、逆に頭部全体がむくんでいたりします。

また顎関節や耳の周りにも緊張が現れている方がほとんどです。

これを散鍼で施術していくと、緊張が取れむくみも無くなってゆきます。

経絡治療の全身調整と、散鍼で頭部や顎関節部・顔面部などの皮膚の緊張や弛緩を正

常の状態に持って行くことで、自律神経を整えて、精神的な症状の改善を自然に得ら

れるのだと思います。



 散鍼のようなリズミカルで軽微な皮膚刺激によって、セロトニンやオキシトシンの

ようなホルモンの分泌が促されると考えられています。

セロトニンは幸福ホルモンとも呼ばれ、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を押さ

えてストレスを和らげ精神の安定をもたらします。また夜になるとメラトニンに変化

して安眠をもたらします。

オキシトシンは愛情ホルモンとも癒やしのホルモンとも呼ばれ、、不安感や恐怖感を

減少させ、安心感と充足感をもたらします。



 セロトニンもオキシトシンも、近年とても注目され研究されているホルモンですが

、東洋医学の鍼施術の中に、そのような最新医学の智恵がすでに実践的に応用されて

きたというのはすばらしいことですね。