月別アーカイブ: 2018年5月

小満(二十四節気)|五月病について

二十四節気上では、立夏 (りっか) も過ぎ、小満(しょうまん)の候ですね。
【小満】:陽気がよくなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂るという意味
あらゆる生命が満ち満ちていく時期であり、太陽の光を浴びて万物がすくすく成長していく季節です。

そのような輝く季節にもかかわらず、「五月病(ごがつびょう)」という言葉が存在するのは、実に不思議なことでもありますが、草木が芽吹く頃は気温の変化も大きく、疲労が蓄積し、ホルモン・免疫・自律神経系にも影響が出やすい季節です。

「五月病」とは、新人社員や大学の新入生や社会人などに見られる、新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称である、というのはWikipediaの見解ですが、これはもちろん正式な病名ではなく、一般的には大型連休後に多くみられる、環境に適応できないことによる一時的なうつ状態・意欲低下状態の呼称です。
急激に無気力となり、ひどい場合は登校拒否・出社拒否に陥る事もあります。不安、抑うつ、焦燥などの精神的症状に加えて、不眠、頭痛、めまい、動悸、繰り返す感冒症状、食欲不振、悪心、下痢、全身倦怠感などの身体的症状も現れます。

東洋医学的に、春は「木」の季節とされ、五臓六腑の働きでは「肝」に影響しやすいとされます。
東洋医学でいう「肝臓」は現代医学のそれとは異なり、新陳代謝・感情の安定・栄血の貯蔵・筋肉の緊張維持を調整し、気分として「怒」それはストレスと密接に関係しています。

万物が伸びやかに生まれ育つ時期で、新陳代謝も活発になり、体内の陽気も動き始めます。初春のころは体がこの変化ついていけず、頭がぼーっとしたり、だるさを感じたりすることもありますが、無理をせず少しずつ体を動かすようにすれば楽に動けるようになります。

また、春には「風」も当てはまるので、春の養生では「風」の影響を抑え、「肝」を養うことが大切。特に気を付けたいのは、精神的なトラブルです。
「五月病」といわれるように、春は感情の調整機能を持つ「肝」が影響を受けやすく、イライラしたり情緒不安定になったりしやすい季節なので、「肝」を十分養ってストレスを発散するよう心がけましょう。 続きをみる>

自主勉強会報告

5月6日の日曜に、守口市役所会議室で自主勉強会(毎月恒例の支部会とは別です)を行いました。

今回は、3月末で東洋はり医学会副会長を退任された鹿住 晴弘(かすみ はるひろ)先生、そして同じく総務部長を退任された木下 敦夫(きのした あつお)先生をお招きして、鹿住先生の御著書「脉診流経絡治療・鹿住ノート・陰陽虚実補瀉体得への手引き」出版をお祝いしての開会です。

「鹿住ノート」は、鍼灸治療の根幹である虚実補瀉についての技術や習得方法などが懇切丁寧に説かれた、東洋はり医学会において、また、伝統的な鍼灸を目指す鍼灸師においても、今後貴重な文献になると思います。私自身も出版に携われたことを、大変光栄に思っています。

鹿住先生には経絡治療の基礎の基礎である【押手】について、細やかに指導していただきました。
【押手】とは、鍼を操作する際の左手指のことで、鍼と経穴が接する要の部分です。基本でありながら、この習得には時間と努力が求められます。

木下先生には【打鍼】について指導していただきました。【打鍼】は安土桃山時代に創始された日本独自の鍼術です。私も打鍼を長年使っていて、経絡治療の体系にいかに打診を取り入れるのかが目下の研究テーマなので、今回木下先生と打診について意見交換できたことは大きな収穫となりました。

総勢18名の勉強会、大変有意義な一日を過ごさせていただきました。 続きをみる>

呼吸法、その効果

4月のなみはや支部の例会では、治療家の身体作りにおいて「呼吸」を採り上げていました。
当院では、患者様にはあまり難しく言わずに、ゆっくり息を吐くことから指導しております。
その後、腹式呼吸なども指導しますが、大事なことは〈ゆっくり息を吐いて力を抜くこと〉
だと考えています。

ストレスで、息が浅く、速くなっている人がほとんどです。
鍼灸治療・経絡治療をすると、呼吸はゆっくり、深くなります。
息が深く吸えるようになったと患者様からはよく言われます。

呼吸法については、今般インターネットなどでも数多くの検索結果が出てきますね。
「4-7-8」呼吸法や、等間隔呼吸法など、安眠に効果的とされています。
自律神経を呼吸法で調整することができる、という記事がありましたので紹介したいと思います。

【加齢とともに副交感神経の活動レベルが低下】

2011年のベストセラー『なぜ、これは健康にいいのか?』(サンマーク出版)の著者として
知られる順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏によると、交感神経の活動レベルは加齢の影響を
受けることはないが、副交感神経は加齢の影響を受け、男性は30歳以降、女性は40歳以降から
副交感神経の活動レベルが徐々に低下していくといいます。

この副交感神経の活動レベルをなんとか高めたいものですが、とはいえ、自律神経は
私たちの意思とは無関係に動いています。はたして、それを意識的にコントロールすることが
できるのでしょうか。

実は、それを可能にするのが呼吸法なのです。
意識的に行う呼吸法の効用については、お釈迦様も「大安般守意経」というお経の中で
説いています。

私たちはふだん無意識に呼吸をしています。
しかし、その速さや回数を意識的にコントロールすることはできません。
この無意識に行っている呼吸を、意識的なコントロール下に置くことで
自律神経の交感神経と副交感神経のバランスをとることが可能となります。

実際に、息を吐く際には、副交感神経が強く働きます。つまり、吐く息に意識を置いた呼吸法を
行うと、副交感神経の働きを高めることができ、交感神経とのバランスがとれるというわけです。

【胸式呼吸は交感神経を活発にする】

呼吸法は、大別すると胸式と腹式になります。私たちはふだん胸式呼吸をしていますが、
とかく呼吸が浅く、短いものになりがちです。しかし、この短い胸式呼吸は交感神経を刺激し、
これに疲労や心の動揺、怒りなどが加わると呼吸はさらに浅く激しくなって、より交感神経が
働くようになります。

短い胸式呼吸では吸い込んだ空気は肺の中にまで到達せず吐き出されるため、肺には炭酸ガス
など不要なものが溜まります。
この状態が長く続くと、血液循環が低下したり、自律神経失調症を招くことになります。

【腹式呼吸は副交感神経の働きを高める】

一方、腹式呼吸は鼻で息を吸いながらお腹をふくらませ、吐く息でお腹をへこませます。
腹圧をかけるため、胸式より呼吸のリズムが自然とゆっくりとなります。

腹式呼吸をすると、肺の下にある横隔膜が上下運動します。
この横隔膜に自律神経が密集しているため、吐く息を意識的にゆっくりとすればするほど、
自律神経を刺激し、副交感神経が優位になりリラックスしていきます。
例えば、睡眠中は意識しませんが、お腹を自然に上下させるような腹式呼吸のため、
ゆったりとしたリズムの呼吸になっています。

こうした複式呼吸を覚醒時に意識的に行うと、自律神経のバランスがとれるわけですが、
これをさらに深めたものに丹田呼吸法というものがあります。

丹田はヘソ下3寸(9cm)のところにあるツボです。
先述のお釈迦様の呼吸法はこの丹田に圧力をかける呼吸法といわれています。
丹田呼吸法も吐く息にのみ意識を集中しますが、呼気の際に丹田に力を入れ、上半身を45度以上
前傾させることで息が多く出ます。

この呼吸法をしばらく続けていますと、脳波がアルファ波へと移行しやすくなりますので、
受験生やビジネスマンは試験前や会議前に行うとヒラメキや直感力が高まることが期待できます。

ストレス社会に生きる私たちは、交感神経が優位になりがちです。
腹式呼吸は誰でも手軽にできる健康法です。
ふだんから意識的に腹式呼吸を行い、心身のリフレッシュを図りたいものです。 続きをみる>