月別アーカイブ: 2016年3月

ストレスによる胃のつかえで食欲が無い



20代 女性 会社員

 
 2ヶ月ほど前から、みぞおちの所につかえを感じるようになり食欲が無くなり、食
事を十分にとれなくなった。
体重は、1ヶ月半で6キロも減少している。
またのどにもつかえ感があり、常にのどの所に何かひかかっているような気がして心
配になって内科を受診されたとのこと。

 
 内科では精神的なものなので心療内科を受信するように勧められ十分に診てもらえ
なかったということで、当院に来院されました。
心療内科ではおそらく抗鬱剤などを出されると思い、そのような薬は飲みたくないと
いうことで鍼灸治療を選んだとのことでした。

  症状の出る前後のこどなどゆっくりお話を聴かせていただきました。
そうすると職場での人間関係の悩みでストレスを強く感じるようになり、身体にもい
ろんな症状が出るようになったことがわかりました。
初診時には身体的にも精神的にも本当に極まった状態で来院された印象を強く感じました。

 
 動悸や息切れの症状もあり、不安感と極端なマイナス思考の状態に陥っておられ、
頚や肩のこりも強く、交感神経が過緊張状態で副交感神経が機能低下を起こしていて
胃腸があまり働いていないような状態です。

 
脈診では、脈は速く打つ数脈(さくみゃく)で脈管には緊張があり、腹診では、みぞ
おちの部分から胃にかけて強く緊張した状態で少し押さえても痛みがありました。


 東洋医学では、このようなみぞおちのつかえを心窩満(しんかまん)と呼んでいます。
またのどのつかえ感や食道部に異物があるような感じがするのを梅核気(ばいかくき
)と呼んでいます。
これは梅の種がのどの所につかえたような感じがすることから名付けられたもので、
現代医学ではヒステリー球あるいは神経性咽喉頭部狭窄症と呼ばれています。
耳鼻咽喉科を受診される方も多くおられますが、のどや食道部には何も異常は認められません。

 
 心窩満も梅核気も、気の滞りで起こる症状です。肝は、身体の気の流れをスムーズ
にする働きをしていますが、ストレスなどで肝の働きが悪くなって、気の巡りが悪く
なると、このような症状を起こすことが多くあります。

 
鍼灸治療は、肝の経絡(けいらく)を整え、また消化器に関わる脾の経絡も合わせて治療しました。
のどと胃の部分に巡っている経絡の気の流れを良くし、また頚肩のこりに対しても接
触鍼で施術しました。
治療後、脈を観察すると、速かった脈は遅くなって、緊張も取れてゆったりとした状
態になり、みぞおちの緊張も少し緩んだのを確認して、初心の治療を終えました。

 
 2回目に来院された時は、初診時と打って変わって明るい印象を受けました。前回
にいろいろとお話を聴かせていただき安心感が出たのだろうと思います。
胃のつかえ感も少し少なくなったとのことで、以後およそ週に1度のペースで、同様
の治療を続けました。

  諸症状は徐々に軽くなってゆき、2ヶ月ほど経過した時点で食欲も元に戻り十分に
食べることができるようになりました。
梅核気(のどのつかえ感)は、4ヶ月を経過した時点で、ほぼ感じなくなって、体重
も元に戻りました。
以後は肩こりなどの治療で健康管理のために来院されています。

 
 このように強いストレスのために、いろんな症状が出て悩まれている方は多くいらっしゃると思います。
現代医学では、軽傷鬱の範疇に入るのではと考えていますが、鍼灸治療をすることで
抗鬱剤など服用することなく改善されることが多くあります。
経絡(けいらく)治療は、鍼灸治療の中でも自律神経・ストレス・精神的な症状に強い方法です。


続きをみる>

運動で認知症予防

中年期の運動能力の低さと、年を取ってからの脳の萎縮には関係があるそうです。



 米ボストン大学などの研究チームが調査研究した者を神経学会誌のオンライン版に

発表されました。



 高齢になると、脳が萎縮して認知機能が低下し認知症になるのを、運動することに

よって食い止めることができるというのはうれしい情報ですね。

調査は40代の被験者1500名の運動能力をランニングマシーンを使って計測し、

20年後に再びテストしたところ、運動能力の低い人には、脳の萎縮が認められたそ

うです。

簡単にいうと、運動することによって、血液循環が良い状態に保たれて、脳の萎縮も

免れるということですね。



 今は空前のランニングブームですが、走ることによって将来の脳萎縮・認知症予防

につながるとすれば、さらにモチベーションが上がります。

 

 累積疲労というのがあって、放置しておくと身体の疲れが心にまで波及してパニッ

ク障害や鬱病にもなりかねない怖い病気があります。

疲労が蓄積されると、細胞に栄養を送っている毛細血管やリンパ管がつまりりやすく

なり、細胞を修復する成長ホルモンの分泌も悪くなって、死んだままの細胞が身体に

たまって、だるさが取れなくなってきます。

全身の毛犀血管の流れが悪くなると、消化器の働きも低下して、十分に食物から栄養

も取れなくなって、だるさは強くなるという悪循環に陥ります。

脳内でも、毛細血管が徐々につまってくると、理性や意欲などの精神活動も低下し、

無気力そして鬱状態になります。

結局は、血流が一番大事だというお話です。



 人の身体には、60兆個の細胞がありますが、この細胞一つ一つに栄養と酸素を供給

しているのが毛細血管です。そして毛細血管をコントロールしているのが自律神経で

す。

自律神経のバランスがとれている状態であれば、細胞一つ一つに血液が運ばれて、身

体は健康で精神状態も良好に保たれる訳です。



 東洋医学では、気・血・水の巡りを最も大事なことだと考えています。

現代医学的に解釈すれば、気は自律神経機能やホルモンの働きを、血は文字通り血液

を、水っはリンパ液や汗などを指している概念です。

この気・血・水はお互いに関係しながら全身を巡っています。

中でも気は”病は気から”といわれるように、気がスムーズに身体を巡ることで、血

と水も全身くまなく巡ることができます。

現代医学で最近いわれていることが、東洋医学でもその本質を突いているところが興

味深く感じます。











続きをみる>

東洋はり医学会なみはや支部会 2月

2月28日は、東洋はり医学会なみはや支部の例会でした。



◎午前



1 臨床雑話



●書籍紹介 「アゴをゆるめると健康になる!」 佐藤 青児 著 奥田



ストレスを抱えている方のほとんどが顎や耳の周囲が緊張しています。鍼灸治療でも

この部分の緊張を取ることで全身状態が良くなり精神的にもリラックスできます。

著者は歯科医師で、顎関節の緊張を取ることの大切さをわかりやすく具体的な方法と

知美語っています。

間質リンパを整えると言う観点も鍼灸に通じる所があり、興味深いです。



●使い捨て懐炉の灸としての応用 奥田

安全で簡便な灸として使い捨て懐炉を熱原として応用する方法を紹介しました。

筋肉の緊張状態を把握して、熱を与える時間を加減することで灸としての治療効果を

出すことができます。

美容鍼灸の方法としても有効です。



●経絡治療習得の心構え 坂本



例会は年に11回しかありません。例会以外の時にも常に経絡治療習得に気持ちを向

けて修練することが必要です。

継続は力なりですね。



2 経絡治療基礎講義 治療法則 奥田



テキストの「わかりやすい経絡治療」も18章まできました。今回は経絡治療の要中

の要である難経69難の解説でした。

理論はきわめてシンプルです。この項をしっかり理解して活用できるようにしましょ

う。



3 実践講座 肩関節周囲炎 奥田



以前に比べると、肩関節周囲炎を主訴として来院される方は少なくなりました。時代

の変遷を感じます。

しかしながら頚腕症候群なども含め頚や肩の構造や経絡の流れを把握することは大事

なことです。



◎午後



1 症例紹介 アトピー性皮膚炎 坂本



40代女性の重症のアトピー性皮膚炎を、一年ほどの継続治療によって、かなり良い状

態にまで改善させた症例を紹介していただきました。

身体の調子をまずは良くしてゆき、自己治癒力を向上させて、辛い皮膚症状を軽減さ

せた症例です。

経絡治療の真価を示されているすばらしい発表でした。



2 実技 坂本・奥田



どのようなことにも通じることですが、鍼灸を行う時に必要なのが、良い姿勢をとっ

て、身体の緊張を緩め脱力し、術者自身がリラックスすることです。

今回は基本刺鍼の前に、そのような身体作りのためのエクササイズをやってみました



ヨーガ、気功、合気道そしてストレッチなどから選んだ動作を組み合わせることによ

って鍼灸師としての身体作りができると考えています。



次回のなみはや支部会は3月27日・代4日曜です。











続きをみる>